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イタリア旅行第1日 トリノ

フランクフルト経由でトリノへ

トリノは北イタリアの大きな都市だが、日本からの直行便はない。日本を朝出発して、トリノに当日中に着くことが可能な便は限定される。

検索の結果、成田から全日空の共同運航によるルフトハンザのフランクフルト便と、ルフトハンザのトリノ便を乗り継いで行けば夕刻に着くことができることが判明した。ルフトハンザは日本のエアラインでは見かけなくなった、ボーイング747の機材を現在も使用している。古いものを大事にするヨーロッパらしい。DSC_0245

この路線、オクトーバーフェストの名物料理として、朝食(現時間では昼食)に焼きソーセージが出る。ドイツビールを合わせると本場の味である。DSC_0246

比較的楽にフランクフルト空港に到着。拡張工事の最中のようである。入国審査を簡単に終え、ターミナルを移動する。エレベータに乗ったり、長いトンネルを通ったり、かなりの移動距離を歩いたのちようやくトリノ便の搭乗口へ。DSC02785

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トリノの空港に着いたのは午後6時過ぎ。近代的なターミナルビルだが、空港の規模は日本のローカル空港並みである。タクシーで市内のホテルに向かう。統一料金の30ユーロ(スーツケースなどの大きい荷物は塚料金)は明朗会計である。

トリノの街はトラムも走っている。DSC02792

トリノのレストランMagorabin

トリノの街のアーケードと商店街は立派だ。中心部のポルタ・ヌオーヴァ駅前のカルロ・フェリーチェ広場からサン・カルロ広場を通ってマダーマ宮殿や王宮があるカステッロ広場に至る通りがメインの通りで、ブランド店などが立ち並ぶ通りであった。DSC02794

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建物の1階部分がアーケードになって、ブランド店などが入っている。かなり太いがっしりした柱で支えられていて、整然とした美しさがある。日本にも沼津市のアーケード名店街など、似たような商店街の建物があるが、このような立派な建築物だったら、歴史的建造物として観光客でにぎわうことになっただろう。DSC02798

通りの中間には大きな広場、サン・カルロ広場の周りにはカフェや教会がある。DSC02805

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トリノの中心部にある大型食品チェーン店のイータリー。イータリーの旗艦店は中心部から南に行ったリンゴットにある。訪れる予定だったが、結局行けなかった。

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マダーマ宮殿のあるカステッロ広場から古い街並みのポー通りに入る。アーケードが続くが、次第に人通りは少なくなる。DSC02823

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DSC02830トリノのランドマーク、167.5mのモーレ・アントネッリアーナ。国立映画博物館が中にある。ここにも登れず。DSC02831

トリノのミシュラン1つ星レストラン、創作的なピエモンテ料理を出すということで地元のグルメの間で評判というMagorabinというレストラン。9時に予約する。途中、人がほとんど歩いていないため、心配したが、確かに客は少ないながらも、誕生日を結わう客などでテーブルはちらほら客が入っている。DSC02834

店から勧められた当店の過去店の歴史的に好評だった「クラシックな料理」をあつめたというデギュスタシオン・コース、60ユーロを注文する。

アペリティフにはピエモンテ名産のスイートベルモットのカクテルを勧められる。薬草の香りが面白いが、料理には合わない。盛り合わせたアミューズの数々がそれぞれ洗練されていてエレガントな味わい。DSC02833

フォカッチャの上にのせられた脂の甘いパンチェッタ。DSC02835

フォワグラの入ったクリームのトリュフがトッピングされたマカロン。DSC02837

干し鱈のフリット。DSC02841スプラウトが入ったピエモンテの郷土料理、バーニャカウダをイメージした料理はかなり香りと繊細さがあってレベルが高い。DSC02840

温かい白身魚のすり身とハードチーズ、チーズソース。DSC02836

一見ミニトマトのようなツナのボール(これだけ料理の説明がなかったのはサプライズのため)。など様々な種類の創作系の料理はいずれもかわいらしい料理で、遊び心を含む料理人のセンスを感じさせる。DSC02844

DSC02838DSC02842 創造的で挑戦的なアミューズは,今後の料理の展開に期待を抱かせた。DSC02845

前菜の一皿目は、ピエモンテの郷土料理の生の牛肉のカルパッチョだが、なぜかカキと組み合わせている。日本では保健所が許可しないだろう。生臭さが重なるような、なんとなく組み合わせに違和感を感じる。それぞれ別に食べれば美味しいのだろうが・・・。付け合せのきゅうりのソルベの青いニュアンスはちょっと浮いている。DSC02847

マグロの塩漬けの肉巻き。魚と肉を組み合わせるのが創作だと思っているのだろうか、甘いたれに日本人としては違和感を感じる。

DSC02851生海老とレバー、スプラウト、香草の組み合わせも同じことがいえる。同じスプラウトを使った前菜のバーニャカウダと比較して、バランスが悪い。DSC02853

帆立のグリルとホウレンソウにクリームチーズのソース。あまりチーズのボリューム感はない。ハーブの塩が辛い。クリームチーズも違和感がある。帆立の生の食感がなくねっとりとしていた。全般に魚介系の新鮮さを繊維の食感として楽しむ文化はないようだ。それに対して、野菜を彩り美しく多用しているのは、イタリア料理としてはかなり異色で、最近のフランス料理に共通する先進性が地元のグルメファンには感じられるのだろう。日本ではかなり普通のことだが。DSC02855

コースが進むにつれて、料理を食べる意欲がなくなってきたが、量が多いためではなく、味が舌に合わないためであったようだ。こちらが食べ残すものが多いので、店でも緊急会議を始めたようである。シェフが不在だったのだろうか。

ただ、パスタはなかなか良かった。パン、バター、アンチョビのスパゲッティSpaghetti pane,burro e acciugheパスタのアンチョビとパンのスパゲティーニ。DSC02860

ねっとりとして魚の旨味が抽出された味わいのあるスパゲティーと、その下に敷き詰めた香ばしくバターで炒った細かいパンの食感とアンチョビのうまみと香りがいきわたり、味わい深い一皿であった。サクサクしたパンにパスタが絡まってクリスピーな食感と共に旨味の感じられる味わいは、当店のスペシャリテトいわれるにふさわしい。かならずしも、料理の食感が無視されているわけではないようさ。ただ、上にのったアンチョビはかなり塩辛い。

メインの豚のローストに海老のタルタル、青梗菜添え。DSC02863

これは当店のスペシャリティだそうだ。外見からは明らかに皮付きぱりぱり豚ばら肉といった広東料理の豚肉料理をイメージしているのだろうが、下に敷いた生海老のタルタルが合わない。豚肉は日本人が期待するような甘辛さがなく、肉自体はイタリア料理の肉料理の味わいに近い。日本人としての外見からの期待値と実際の料理と味とのギャップにかなり違和感を感じる。砂糖を入れて肉を煮る習慣のないヨーロッパでは肉が甘くなることはないのだろう。逆にソースはかなり甘かったのは、果汁を加えているためか。

ヴィジュアル的には美しく、それぞれの料理が工夫されているのはわかるが、アジア的な甘いソースを使った料理や全般に食感を無視したようなねっとりした料理が多い。海老を多用しているのだが、日本人の好むプリプリした食感はなく、ねっとりしていている 。一皿の量はイタリアではかなり少ない方である。

爽やかなレモンのシャーベットのあと、メインのデザートはヨーグルトとパイナップル。ミントに違和感があるし、凝縮感がなく、間延びした味わい。小菓子を含めて、今一つである。DSC02867

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DSC02875ワインは30ユーロのデギュスタシオン・コース。まずFILIIというドロミティの,軽い白ワイン。ランゲの白はなんとシャルドネ主体に、ソーヴィニヨン・ブランとヴィオニエが加わっていた。3番目のビオ・ディナミの白はピノ・グリージョでオレンジ色だが、フルーティで味わいはピノ・グリージョらしいが優しさがある。赤ワインはピエモンテのバルベーラ・ダルバで柔らかく緻密な味わい。デザートワインはリブランディが造る甘口ワインで、かなり熟成感があった。ワインに関する限り、地元ピエモンテに限定せずに、イタリア全土から選ばれていて、ソムリエの感性が感じられるセレクションであった。

この店、地元の古典的イタリア料理に飽きたグルメには、斬新な食材の組み合わせやアジアを意識した香辛料や甘いソース、野菜の使い方などが好評であるようだが、客観的に見て、グローバルな水準からどうだろうかと思う。イタリアでの食事、この先どうなるかと不安に陥ったが、幸いにしてそれは杞憂に終わり、この店以外のイタリアの料理はすべて感動する内容であった。

イタリアではレストランの料理はほとんどイタリア料理であり、他のヨーロッパ各国と違って、日本料理を含む他国の料理のレストランはほとんどない。フランス料理店もほとんどないし、ファーストフードと言えばイタリア料理のビザやパンの店がほとんどである。

イタリアにもマクドナルドもないわけではないが、かなり少なく、このトリノでも地味に看板を出している。DSC02821

他の国に多いすし店もイタリアには少ない。ただ、なぜかケパブの店が多いのはトルコ系移民が多いのだろうか。ドイツほどではないが。あるいはピザなどが、トルコを経由してアジアからイタリアに伝わったという歴史と関係あるのだろうか。

イタリア料理店は決まって前菜のアンチパスト(antipasto)、パスタやスープ、リゾットなどのプリモ・ピアット (primo piatto)、主菜のセコンド・ピアット (secondo piatto)、デザートのドルチェ (dolce)がメニューにあり、高級なリストランテも大衆的なレストラン、トラットリアでもメニューの分類は共通である。

一皿の量は一般に多いため、シェアが可能で、アラカルトの皿を2人でシェアするとちょうど良い量になる。ある程度シェアすることが前提になっているようであり、かなりの高級な店でも躊躇することはないし、すべての種類をとるも必要ない。ただ、1人ではシェアできないのでオーダーが難しくなる。

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