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京都市の中心、烏丸御池の駅の近くにある小さな割烹。カウンターのみの小さな店だがミシュランの一つ星に輝いている。ランチに伺うが、ランチタイムに3組しか客をとらないという。しかも当然ながら一回転のみ。従業員は板場に3人、女将と大女将の5人というほとんどマンツーマン状態。女将は話好きで絶え間なく席を回り客の相手をしてくれる。

料理では汁もの系が得意の店と思われる。

ワインはカリフォルニアワインのあさつゆ(朝露)があるというのでこれをいただく。ナパの日本人所有のケンゾーエステートの産する4種のプレミアムワインの一つで、これはソーヴィニオン・ブラン。選ばれた料亭やレストランにしか置かれないワインである。上品な樽香とハーブの香りがするボルドースタイルの白ワイン。かなり濃い黄金色をしている。

先付けは湯葉豆腐と越前蟹、青み野菜にユズの餡かけ。これはフランス料理でいうところのジュレに近いイメージである。さっぱりとした上品な味わい。

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お造りはマグロ、ばい貝、くもこ(タラの白子)の3点。ポン酢と醤油が出される。バイ貝のコロコロした食感と、くもこのソフトでミルキーな食感が対照的。マグロは醤油で、他はポン酢でいただく。貝割れ大根が添えられている。

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お椀は上品な味わい。カブのみぞれ汁で、上質な雲丹と鱧に白木耳、山葵と海苔がかけられアクセントを置いている。具材の磯の香りと上質な魚介からとった上品な出汁が調和し、まろやかな味付けで、細かい繊維がほどよく感じられるとろみがかった汁に体が心地よく温まる。

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焼き物は鰆にレンコン添え。この焼き魚には酢橘が添えられているが、柑橘の香りのあるソーヴィニオン・ブランが最もよく合う。

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次に出された安納芋と銀杏のご飯は秋の香り豊かな味覚が盛り込まれている。

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焚き合わせがわりに鍋が出されるのがこの店の流儀。焼き穴子のみぞれ。松茸、九条ネギなど。スープに出汁が凝縮されていて飽きのこない味わいである。みぞれは出汁が繊維に浸みるため、二重に旨味をかみしめることができる。

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最後に窯で炊いたご飯が出る。お焦げもある。女将の実家のお父さんの丹精込め作った米の一粒一粒がつやつやと輝きながら立っていて米の香りと食感を深く味わう。すっぽんのスープで炊いたちりめん山椒が付けあわされる。これもしっとりして奥行きある深い味わい。

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合わせ味噌の汁は三つ葉などが上品で香り豊かな味である。ご飯の伴の漬物(柴漬け、白菜漬け)ときゃらぶきにも味がある。

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デザートは水菓子のラフランスとブドウ、そして自家製のわらび餅。
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京都の中心部、小さなカウンター割烹のランチはほど良い分量の上品で充実した味わいであった。

 

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