汐留の日本テレビタワー1階にある中国飯店グループのレストラン。
休日でも1050円の定食や麺類、炒飯などのメニューがあり、中国飯店グループでは価格では紫玉蘭の次くらいのカジュアルラインだが、シャンデリアなどもあり豪華な雰囲気のダイニングルームである。
ランチタイムは明るい屋外に比べると少し暗く感じられるため、高級感は薄れるがサービスレベルは他店と同様に高い。ビニールクロスだが、調度も悪くない。ただ、この日は休日のためか、客はまばらである。
3150円のランチコースにAとBがある。Aには中国飯店グループ共通のスペシャリテ、黒酢酢豚が入るが、Bの蟹肉とキヌガサ茸入りふかひれスープが気になり、こちらを選択。
まず、3種の前菜盛り合わせ。蒸し鶏、蜂蜜チャーシュー、クラゲの3点。蜂蜜チャーシューは香港の一流店には及ばないが、甘くてしこしこで、肉質はちょっと硬いが温かくてよい。クラゲもはふつうだが、蒸し鶏は柔らかくジューシーでエレガント。
芝エビのXO醤炒め。海老がぷりぷり感はあるものの、かなり小さく存在感に欠ける。コスト削減のためか。同じ広東料理では港北ニュータウンの天啓の方がずっと大きかった。味はしょっぱくならないギリギリのレベルでエレガントさを維持している。アスパラ、葱などの野菜は丁寧に炒められ食感も良い。ポーションはかなり小さく、2人からオーダーできるコースとはいえ、メインの皿だけに不満も予想される。
スープの蟹肉入りふかひれスープは優しい味わいで、干しエビで香りとコクをつけているのは評価できる。名物の黒酢をお好みでどうぞ、と出されるが、あまり大量に入れない方がよい。繊細な味わいが失われる。
小籠包が2個。この店の小籠包がこんなにレベル高いとは思わなかった。高島屋に入っている世界標準の某飲茶チェーンよりも上である。肉汁の味わいの深さとひき肉の食感、蒸し加減もよく、シェフのスペシャリテなのだろう。コースAB両方に入って言える理由がわかる。
松の実入り炒飯。中国飯店系列共通のスペシャリテ。これはやはりうまい。これだけシンプルな料理のレベルが高いというのは素晴らしい。系列のなかではリーズナブルな店なので、この炒飯と名物の黒酢酢豚は味わいたいところだ。なお、黒酢酢豚は平日のランチの定食にもある。
デザートはタピオカ入りマンゴー・ココナツミルク。これも系列の定番。たまには違うデザートも食べてみたい。お茶は最初からポットでサービスされて無料。
総合的に見ると微妙な評価になってしまう。黒色系のコクのある料理がうまいのは中国飯店グループの特色だが、塩炒め系が普通になってしまうのがちょっと残念なところだろう。ちなみにワインはグラスで、シャルドネとピノ・ノワールはいずれもカリフォルニア。これを広東料理に合わせるのは間違っていない。120ccくらい入れてくれた。ただ、ランチタイムでもグラスワインにヴァリエーションがほしいところである。
3150円という値付けは、銀座に近いエリアとしてかなり手ごろであり、雰囲気、サービスから満足できるものだろう。
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