NO IMAGE

日本ソムリエ協会関東支部の第3回例会は栃木県足利市のココファーム&ワイナリーで行われました。東京駅から貸し切りバスで2時間、大人の遠足の感覚です。途中、車内でココファームのビデオを見ました。DSC09186

足利市の北部郊外の山の中にワイナリーがあります。途中の田んぼの中にも一部ブドウ畑がありますが(高齢の園生のために、作業しやすい平地につくられれたものだそうです。)、メインのブドウ畑は醸造所に近接した山の斜面、かなりの急斜面でスキー場の上級者向け斜面のように急です。このため、機械を入れることはできず、知的障害者の施設、こころみ学園の園生の手作業で畑の手入れが行われています。DSC09192

ホールでテイスティング・セミナーが行われました。白2種、赤2種、デザートワイン1種です。

DSC09194全体に生き生きとした酸味が特色。雨が多く、気温がフランスなどより高く、ワイン用ブドウ栽培に厳しい土地に適した品種を栽培するという、適地適品種の考え方の下に、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニオン、メルローなどの国際品種はあえて植えずに(かつては植えていたこともあったそうです。)、気候の似ているアメリカやフランスの南西地方の品種を植えているとのことでした。DSC09195

岩見沢の10Rワイナリーからから元醸造責任者のブルース・ガットラブ氏も駆けつけ、招聘された当時のワイン用ブドウ栽培にはあまりにも厳しい足利の気候風土に対する、驚きと怒りや、その克服に至る苦労話をしていただきました。

マスカット・ベーリーAで造る、このワイナリーの看板ワイン「第一楽章」は、マスカット・ベリーAに普通見られない熟成した果実味が濃厚で複雑な香りと緻密なタンニンの凝縮感があり、長期熟成も楽しみな素晴らしいワインでした。

続いてワイナリーの見学です。ステインレスの巨大な醸造タンクが並んでいます。DSC09198

木製の醸造用のタンクもあります。DSC09208

DSC09204DSC09202

カーブは岩盤をくりぬいたトンネルにある半地下構造のため、一年を通じて16度とひんやりしてます。ワインを熟成中のフレンチオークの樽が並んでいます。新樽は最近使わなくなりつつあるとのことでした。DSC09210 DSC09212 DSC09217

ブドウ畑では新しい仕立て方法のブドウの枝を下に垂らす仕立てが行われていました。園生のわかりやすい作業に配慮されているとのことでした。DSC09242

DSC09250滓抜きの作業を実際に見せていただきました。このようなセミナーでないと見ることのできない貴重な経験です。滓を集めたボトルの先端を液体窒素に入れて凍らせます。DSC09218

DSC09222DSC09230液体窒素で冷やして凍結した滓が見事に抜け、さらに機械によりワインとリキュールを足してスムーズに打栓されるのですが、このような手法が良く生み出されたものと先人の知恵に感心しました。DSC09236DSC09224 最後にコルクが打たれます。DSC09229

その後、昼食とフリーテイスティングが行われました。鹿取みゆきさんから話を聞いていた山形県の上山や長野県の高山村、北海道余市町のぶどうで造ったワインなどもあり、味わいの違いが興味く感じられました。

現場のワイナリーの視察とその場でのテイスティングは、新たな発見も多く、非常に有意義なセミナーでした。

 

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!

日本ワインの最新記事8件

>ご相談・お問い合わせ

ご相談・お問い合わせ

各主宰団体等についてメールでお気軽にお問い合わせください。
Mail:uemura@rrpf.jp

CTR IMG