久しぶりに二子玉川駅から東側に広がる二子玉川ライズショッピングセンターに行ってみた。今年の4月から5月にかけて完成したテラスマーケットが加わり、二子玉川地区の東急による再開発はほとんど完成した。土曜日で来街者が多く大混雑である。
テラスマーケットで話題となっているのは、蔦屋家電。CCCの展開する新しいタイプの商業施設としては、代官山T-SITE、湘南T-SITEに次ぐもの。代官山に見られる新しいタイプの蔦屋書店と家電が一体となったもの。1階のネットワークや文具、映像のほか、2階にはハウスキーピング、美容、健康や食などのテーマ別の書籍売り場と連動して家電の売り場が設けられている。ライフスタイル提案型の書店がさらに物販と直結したところが大きな特徴である。
なお3階以上の上層階は109シネマズのシネコンになっている。
「ライフスタイルを買う家電店」をテーマとしているが、書籍で提案したライフスタイルを家電だけでなくインテリア、雑貨なども売っている。これは実物を体験できないAMAZONなどの通販に対する一つのメッセージでもある。スターバックスのあるBOOK&Caféは他のツタヤと同様でソファーなどが配置されて、家電を本やゆったりとした時間を過ごしながら選べるようになっている。
テラスマーケットの蔦屋家電の向かい側には、有機・減農薬の野菜を売るガーデンズ・マルシェ、スペイン料理の惣菜や商品などのマドリード発のマヨルカなど上質なコンセプトの店が並ぶ。
オフィスビルの1階にはケーブルテレビのITSCOMのスタジオとホールがある。この間の通路はすでに分譲が終わった高層マンション街に通じていて、居住者の駅に至る経路となっている。
まちづくりが完成しつつある二子玉川の東側はかつて二子玉川園という遊園地があったが、1985年に閉園、その後、暫定的にナムコ・ワンダーエッグ、いぬたま・ねこたまなどのテーマパークがあったが、閉園・開園を繰り返していた。この場所と駅前商店街を中心に再開発が行われ、2年前に高層マンションと駅周辺の商業施設が完成。今回2期計画が完成し、新しい街が完成した。
西側の日本初の郊外型SCである玉川高島屋ショッピングセンターと一体となって、日本でも有数の上質なショッピングエリアが誕生している。
都心から同じような距離にある武蔵小杉も高層マンション街とともに、大規模なショッピングセンターが整備されており、多摩川沿いの至近距離にあるこの二つのエリアの競争も激しくなるだろう。
現在のところ商業や街づくりのレベルや街の一体感としては、二子玉川の方が上位にあると思う。しかし、武蔵小杉はまだ街が完成しておらず、今後の展開は予断を許さない。
これだけの商業施設が新たにできると、当然、衰退するエリアも出てくるだろう。より郊外にあり顧客が競合するたまプラーザや港北ニュータウンの商業施設は厳しい状況になることが予想される。