先週の金曜日、アカデミー・デュ・ヴァンの藤巻先生、アンセパージュのクラスの今回のテーマは「オージー ピノ・ノワールの今」。ヴィクトリア州を中心としたオーストラリアのピノ・ノワールをテイスティングしました。どのワインも酸と果実味のバランスが良く、エレガントなワインで、従来のオーストラリア・ピノのイメージを超えた秀逸なワインでした。
ブラインド・テイスティングで特に素晴らしく感じられたのは、Giaconda、Bass Phillip,Mount Maryの3者。他の出席者の評価も高かったようです。
なかでもBass Phillip は神様とうたわれるそうで、抜きんでて素晴らしかった。ガーネット色で、乾草のようなスパイシーな独特の香りに、ドライフルーツのような黒系果実に近い香り。アタックは強いが、なめらかで繊細、緻密な味わいで、バランスが最高です。
X-WINEとして出された、同じ生産者のガメイもかなりピノ・ノワールと共通する香りをもっていて、パワフルかつ繊細です。
Mount Maryはオーストラリアでも入手困難な伝説的なワインだそうです。薄い赤紫色の外観。しっかりとした酸に緻密で凝縮感のある味わい。かなり力強いがバランスが良い。
Giacondaは赤系果実のフレッシュで華やかな香りと果実味、柔らかな酸味、繊細で軽やかな味わいで、熟成感と複雑性が感じられます。
Bindiは色が薄く、酸味が豊かで、垂直的、冷涼な味わい。標高500メートルMacedonらしい味わいが出ていました。
Lucy Margauxは.唯一南オーストラリア州のアデレード・ヒルズのワイン。ややタンニンが荒く、グリーンノートなどビオのニュアンスが強いワインで、テロワールの違いか、他のワインとは少し異質なものを感じます。
William Downieは鮮やかなルビー色で、フレッシュで華やかな香り、グリーンノートも感じられ、ビオらしい穏やかで柔らかい味わいでした。
Farr Risingのセニエによるロゼのワイン。味わいに広がりが感じられます。
どれもレベルが高いワインでしたが、価格も1万円クラスとかなりのもので、入手困難なものも多いようです。しかし、外れがなく、バランスがきわめて良く、今飲んでも安定的に秀逸した味わいであるため、安心して購入できます。オーストラリアのハイレベルのピノをもっと注目すべきでしょう。