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モンタルチーノ(Montalcino

サン・クイーリコ・ドルチャを出発してしばらく進むと、この日の最大の目的地、モンタルチーノが見えてくる。

DSC04156小さい山と思えるくらい、かなり高い丘の上にある町である。人口約5300人のコムーネ(wikipedia)。この村の最大の見どころは要塞Fortezzaである。

DSC04157城の建物の入り口を入るとワインバーや売店があり、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノをテイスティングすることができるが、ワインバーで入場料を払い、部屋の中にある階段を上っていくと屋上に出る。DSC04173さらに登って要塞の城壁の上の回廊から、オルチャ渓谷を一望することができる。さらに城壁の上に突き出た塔に登ることも可能である。 DSC_0301

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DSC04171この村自体が、相当高い小山の様な丘の上にあるため展望は素晴らしい。赤い屋根の村の集落の向こうに限りなく水平線までトスカーナの丘陵が広がっている。DSC04163 DSC04170 DSC04166 DSC04165 要塞を出て街に出ると、ENOTECAやワインの売店などたくさん並んでいる。DSC04174

ワインの土産用3本セットがかなり安い。ワイン目当ての観光客が町の通りを歩いている。

DSC04175 DSC04177DSC04178丘の上の街だけに起伏に富んだ地形でかなり坂が多い。DSC04180

DSC04182DSC04181教会も多く、街のはずれには大聖堂もある。DSC04183

DSC04184DSC04185 昼食はハイヤー会社がセットしてくれたツアーのコースに組み込まれていて、1時に予約済みのRistorante LE POTAZZINEという店である。後で行くワイナリーと同じ経営のようである。DSC04187 テラス席もあったが、日差しがかなり強く暑いので、室内で食事をした。まず、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノがグラスで1杯出される。セットに入っているのだろう。DSC04188

アンチパストにの茄子の煮込み。DSC04189

カリフラワーのフラン。DSC04190

プリモピアットにはピチは前日食べたから今回はラザーニャ。DSC04191

セコンドピアットにトスカーナの代表的料理、イノシシの煮込みを注文。DSC04192

デザートにパンナコッタを。DSC04195

DSC04194どの料理も満足できるレベルで、特にチーズが地元産のペコリーノなのだろうか、味が濃厚でコクがある。フランは梨の薄切りが添えられていて爽やかであった。

 

サンタンジェロ・イン・コッレSant’Angelo in Colle

ワイナリーの予約時間まで時間がったので、観光的にはほとんど無名なこの村に立ち寄ってくれた。滞在時間20分。このあたりで最も小さい村だそうだ。たぶん、人口500人もいないだろう。DSC04202

DSC04203それでも教会があり、レストランも複数あり、広場もあり、一つのまちの形ができあがっていた。規模はどんなに小さくても、人が集い人生を楽しむ形があるところがイタリアの田舎の素晴らしさである。DSC04196DSC04198

村の下の方にはオリーブの畑とワイン用のブドウ畑が広がっていた。

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ブルネッロ・ディ・モンタルチーノBrunello di Montalcinoのワイナリー

LE POTAZZINEのワイナリーは村から少し離れたところにある。畑はわずか5haという小規模で親子3代で経営する家族経営のワイナリーである。外では猫が迎えてくれる。DSC04208

石造りの美しいワイナリーである。DSC04209

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POTAZZINEというのはトスカーナの田舎モンタルチーノに生息するカラフルで快活な鳥、エチケットの2羽の四十雀のことである。オーナーの2人の娘さんViola とSofiaにお祖母ちゃんが付けたニックネームとのこと。家族経営らしいほほえましい話である。

DSC04213ワイナリーの外にはすぐブドウ畑が広がり、収穫の近いサンジョヴェーゼが実をつけている。小石混じりの土壌である。DSC04225DSC04211

DSC04212小規模ながら世界30か国近くに輸出されており、日本にも今年、プロモーションで行ってきたとのことである。DSC04219 DSC04224 DSC04223 DSC04222

標高の異なる2つの畑のブドウを別々に醸造し、ボトリング前にブレンドされる。温度管理可能なステンレスタンクで発酵させブレンドする。DSC04214

自然の重力でサイズの異なる熟成用のスロヴェニアンオークの大樽に移され、熟成される。DSC04215DSC04218

DSC04216DSC04217早飲み用からIGT Sangiovese 、ROSSO DI MONTALCINO、BRUNELLO DI MONTALCINOの順にテイスティングした。IGT Sangioveseは早飲み可能なフルーティーさがあったが、クラシックなスタイルのブルネッロで果実の熟成した香りと緻密な味わい、ROSSO DI MONTALCINO、BRUNELLO DI MONTALCINOに進むと、熟したフルーツのアロマや凝縮感が強く感じられた。この二つは同じ畑のぶどうにより造られているそうで、主たる違いは大樽での熟成期間だそうだ。確かにどちらも凝縮感が感じられた。

Brunello di Montalcino Riservaは優良年にしか醸造されない長期熟成タイプで、最近では2004年に造られ、2011年はまだ熟成中である。小規模ながらかなりレベルの高いワインを造っている。DSC04226

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このワイナリーを最後にオルチャ渓谷の村とワイナリーのツアーは終了。ハイヤーはBuonconventoの駅前にあるホテルに向かった。ホテルにしたのはハイヤーの会社からホテルはどこかと聞くから。列車でフィレンツェへ向かうというのが理解されていなかったようである。着いたのが列車の発車時刻の15分前。乗り遅れると1時間半列車がない。無人駅で自動券販売機は例によって調子が悪い。やっとのことで購入したが、今度は列車がなかなか来ない。乗換駅のシエナ行きの列車に乗らなければならないのだが、反対方面に行く列車かと思ったらこれがシエナ行きであった。

DSC04228DSC04229この駅は形の上では路線の途中の駅であるが、シエナと反対方向はすべてバス代替輸送の路線のため、実質は始発駅であった。本当にイタリアの列車はわかりにくい。

【イタリアの鉄道はホームが低いのでどこでも横断禁止の標示がある】

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かなり遅れたが、何とかシエナで乗り換えて、フィレンツェに着いた。途中Poggibonsiで降りて世界遺産の町、サン・ジミニャーノ(San Gimignano)に行くという案もあったが、そこまで元気がなかった。

たぶん、サン・ジミニャーノには一生行くことはないだろう。テレビの旅番組で古い塔のある町の様子を見ては残念に思うのだろか。あとで聞いたところによると、この町の中心部の通りはシャッター通りになっていて、活気がないということだった。鉄道駅の周辺が街の中心になったことが影響しているのだろう。この町のワインもそうであるが、本当にジミな町のようである。

【通過したPoggibonsiの駅、古都とは似つかぬ交通至便のこちらが町の中心】DSC04231

再びフィレンツェ

また、フィレンツェである。ホテルに荷物を預けてある一昨日宿泊したContinentaleへ。ところがコンピュータの故障で予約が取れていないという。経営者が同じ隣のホテルGallery Hotel Artにしてくれと言われる。朝食をつけるからというが、たぶんダブルブッキングしてしまったのだろう。やむをえない。部屋は少し古いがバスタブもあり、広さも十分である。こちらの方が良いかもしれない。ドアは少し閉まりにくく、ふろの栓もおかしかったが、バスタブがある方が日本人は体が休まる。それにしても、いくら、ポンテ・ヴェッキオが近く、便利だからと言っても1泊5万円以上の部屋とは思えないのだが。東京はホテルが安い。

この日は、今回の旅行では唯一夕食を予約していない。サン・ジミニャーノに寄ってくる可能性があったためである。Il Magazzinoというトリッパなどの内臓料理の専門のレストランへ。

このOsteria Tripperia Il Magazzinoというレストランはポンテヴェッキオ橋をわたった、アルノ川の反対側のエリアにある。職人の町であるこの辺りにはやや大衆的な人気のレストランが多いらしく、にぎわっていた。このレストランも満席で1時間後の予約を入れて、周りを少し散歩する。 街はかなり賑わっていた。DSC04233

この大衆的な雰囲気の店は相当混雑していた。黙っているとオーダーも来ないような状況。何とかスタッフを呼んで、オーダーする。ワインは店のおすすめのキャンティ・クラシコ、Badia a Coltibuono 2011。DSC04235

DSC04237Trippa alla fiorentinaトリッパ・フィレンツエ風。日本でもおなじみの料理である。DSC04241

lampredotto bollito ランプレドットの煮込み。牛の第4胃がメインのフィレンツェの伝統的煮込み料理。ちょっともつ煮込み風。DSC04238

オッソブーコとインゲンのトスカーナ風ossobuco e fagioli toscanelli。DSC04239仔牛すね肉の煮込み。本来はロンバルディア州の郷土料理だが、インゲンを入れてトスカーナ風に仕上げたもの。これはかなりボリューム感があった。この料理もこってりとした煮込み。同じ類の料理が重なったこともあって、少し、退屈かつ、日本人的にはやや大味の感がある。モツ煮込みには,ピリ辛の唐辛子が絡まないとアクセントに欠けるのかもしれない。ワインは楽しむことができた。郷土料理、スローフードに少しこだわりすぎたか。

 

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