イタリア旅行最後の日、エール・フランスのストライキの影響で、予定よりも6時間早くイタリアを去ることになった。朝食は宿泊するはずだったホテル、Continentale (コンティネンターレ)の1階のラウンジでとる。クリームの入ったクロワッサン、菓子パン、ハム、サラミ、チーズ、モッツアレラにミニトマト。そしてカプチーノ。毎日おなじみの朝食だがこれが最後である。
意外に小さなローカル空港のフィレンツェ空港から、パリのシャルル・ドゴール空港へ。ストライキのため、この日1便だけとなったエール・フランスの窓口は大混雑だが、アリタリア航空は閑散としてる。
空港のカフェの外は、小型機が駐機していて、いかにも地方空港らしい光景である。
パリへはアルプス越えの1時間半程度の短いフライトである。ロゼワインが出るところが、いかにもエールフランスらしい。
機外を眺めると、そこには1週間前、クールマイヨールからのロープウェイで登ったトリノ小屋で、目前にありながら深い霧のため見ることのできなかった、モンブランの雪をかぶった姿がはるか下に見ることができた。
パリのシャルル・ドゴール空港。入国審査もなく国内線のごとくターミナルを出る。羽田行きのフライトは夜の9時、パリで過ごすのに十分な時間がある。パリの近郊鉄道RERのB線で、パリの中心部のシャトレ-レ・アル駅Châtelet – Les Hallesまで向かう。
3年前にパリを旅行した際に、この駅の近くのホテルに泊まったため、このあたりはよく歩いた場所だ。
【ブノワBenoit】3年前に午前中閉館のため入館できなかった現代アートの拠点、ポンピドー・センターに行く。20年ほど前から気になっていた施設である。鉄パイプの工事現場のような外観も、建設当時話題となったモダンアートの建物。
まずは外に突き出たガラスのチューブ状の中のエスカレーターを乗り継いで屋上へ。パリの市街のほぼ中心に位置するため、市街の眺めが良い。イタリアで訪れた都市に比べてはるかに広々とした大都会である。見渡す限り、中層の建物が続く。
このセンターの5階、6階がフランス国立近代美術館になっている。6階は20世紀の近代美術のフロアでは、ピカソやレジェなどのキュービスムやマチス、ジャコメッティなどの有名な作品が展示されている。
5階はコンテンポラリー・アートのフロアで、現代美術は一昨年のスペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館訪問以来である。なかなか面白い。すでに歴史的作品となりつつある現代美術もかなりある。
CAFE LITTLE BOYは広島の原爆にinspireされた、来場者が壁にチョークで自己表現できる作品である。
ポンピドーセンターを出てセーヌ河沿いに歩く。、かなり暑く、日差しが強い。このあたりは園芸店が並んでいる。
ルーブル美術館の横を通って、シャトレ-レ・アル駅方面に歩いていく。このあたり、カフェなども多く人通りの多いエリアである。
あらかじめ教えてもらっていたO-CHAETEAUオー・シャトーというワインバーへ。舗道のオープンエアのテーブルで、アルザスの熟成したリースリングを飲みながら、生ハムやチーズ、ピクルスなどおつまみの盛り合わせのプレートで、簡単な食事。深夜の機内食までのつなぎである。短時間だがパリ気分を味わったひと時であった。
シャトレ-レ・アル駅Châtelet – Les Hallesの地上のショッピングセンターは、当時と同じでまだ工事中。完成図が掲示されているが、3年たっているので、さすがにかなり形は出来上がってきている。
既存の地下ショッピングセンター、フォーラム・デ・アルでは無印良品が人気で、かなりの面積を占めている。MUJIがパリの文化の一部を占めているようだ。
帰りは全日空でエコノミークラスながら快適なフライトであった。機内食も何となく懐かしい味。
10日間の旅に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。