フランス篇――その3 パリ③
パリで2日目はホテル近くのチェーン店系のブーランジェリー・カフェで朝食を。クロワッサン・サンドのセットをいただく。チーズとハムがサンドされたもの。
アルザスとシャンパーニュで購入したワインをヤマト運輸の支店に預けに行った後、チュイルリー公園を散策。公園にはスタチューが数多く見られる。
現代アートの巨大オブジェも見ることができる。パレ・ロワイアルという宮殿も見ることができる。
セーヌ川を渡ってオルセー美術館へ向かう。
ここではチケット購入の長い行列が出来ていた。観光客が多い。この美術館は一部工事中であった。
ここは写真撮影が禁止されている。印象派の作品や、後期印象派、特にゴッホの作品が充実している。
しかし、注目すべきはミレーである。バルビゾン時代の代表作、「落ち穂拾い」、「晩鐘」、「羊飼いの少女」がすべてそろっている。「羊飼いの少女」は、30年ほど前に日本の展覧会で見て以来だ。主要作品でここにないのは山梨県立美術館とボストン美術館にある「種まく人」くらいだろう。
昼食はサンジェルマン・デ・プレの中華料理店 LAO TSEUという店。少し暗い照明の店内。チャーハンとビーフ入り焼きそばをいただく。チャーハンはチャーシューや卵などが細かく入っている。米は長粒種ではないようだが、日本米のようにネットリ感はない。
焼きそばは海老かビーフを選べる。餡かけではなく、醤油ベースの上海焼きそばのようなモヤシなどの野菜を炒めた焼きそば。合わせたのはチンタオビール。やや薄味だが何となく懐かしい味で落ち着く。エビの蒸し餃子も日本で食べるものと変わらない。
この店、テラス席もあり、なんとなく外観はカフェ風で「パリの中華料理店」になっている。
さらに東に歩いていくと、通りには家具の店が並ぶ。
サンジェルマン・デ・プレ教会。
文化人が通ったデュ・マゴ(Les Deux Magots)のカフェ。ここも混んでいる。
サンジェルマン市場はちょっと寂れたショッピングセンター。周りににぎやかな食料品店などが並ぶのと対照的である。
無印良品はMUJIというブランドでパリに店を出している。パリでは「日本」のイメージで、シックな色調が受けている。
広々としたルクサンブル公園。入り口付近にある「メディシスの泉」は人気のスポットだ。公園の向こうにはモンパルナスタワーが見える。
ギリシャ風の建物のパルテノン。
ノートルダム寺院へ。ここもステンドグラスが美しい。
南に向かう地下鉄に乗るが途中、車両故障でストップ。良くあることなのだろうか。地上に出て違う路線に乗り換えて、南部のトラムの駅へ。
トラムは地下鉄に比べると、新しいため、おしゃれな外観と室内で快適だ。トラムの2号線はパリの南部から西部へ郊外を環状に回る。
駅には路線周辺の地図と券売機とIC定期券のNAVIGOのチャージ機が設置されている。
トラムの駅には駐車場を併設。途中からセーヌ川岸を走るため、船などが見える。
パリ西部の副都心、デファンスまで行く。このデファンスには鉄道の駅とトラム駅が併設されている。ここからは地下鉄1号線で中心部に行くことができる。
新凱旋門のあるデファンスは幕張やみなとみらいのように高層ビルやホテルが立ち並ぶ。遠くには凱旋門も。指の巨大な彫刻もあるのはフランス的だ。
あまりにも広いので、どこにいるのか分からなくなってしまう。
地下鉄1号線で都心に戻ることにする。勤め帰りの人々でかなり混んでいる。
セーヌ川の河畔の建物の改修工事現場ではSAMSUNGのGALAXYTabの広告が掲げられていた。一昔前であればSONYであったのだろう。
この日の夕食は、セーヌ川、シテ島の対岸モネ(Monnaie)地区のレストラン、ZEキチンギャラリーze kitchen galerie。ミシュラン一つ星のレストランである
フレンチにタイを中心とした東南アジアの料理が融合したフュージョン料理が売り物である。さらに、シェフのウィリアム・ルデュイ氏が訪れて感動した日本料理の影響も大きいようである。
まず、驚くのは枡に入ったパン。インゲン豆ではなくオリーブ。
フランスの伝統料理である牛肉のカルパッチョは、柔らかい生肉と乾燥肉が組み合されている。甘酸っぱくて辛いソースは、タイ料理のサラダのイメージに近い。
ソフトシェルクラブのTEMPURA、イカと花ズッキーニ、マンゴーピューレのカプチーノ。クラブは上品な分量だ。
マスのマリネにはグリーンパパイヤのスライスとマンゴーが添えられている。香りのあるライムリーフなどの香草も。
タラのソテーには白菜、ミニトマト、そしてわさびソースとココナツクリームが添えられる。
肉のメインに日本でも一般的になったイベリコ豚のコンフィとグリルのセット。グズベリーとジンジャーのソースが添えられる。
コンドリウのスパイシーなヴィオニエを合わせる。あと、イベリコ豚に合わせて、グラスで赤ワインも追加。
かなり伝統にとらわれない香辛料やソースの使い方である。一見、大胆な料理であるにもかかわらず、保守的なミシュランの星を獲得したのは、素材の個性を生かした調理など、伝統的なフランス料理の流れに沿ったものであるからだろう。最近では、コリアンダーやワサビなどのアジア系の香辛料が普通にフランス料理に使われるようになってきている。
ただ、ビジュアル面で今ひとつサプライズがないのが残念である。
厨房はオープンキッチン。アジア人もいるようだ。
夜のパリの街を歩いてホテルに戻る。