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フランス篇――その5 リヨン②

リヨン2日目の朝は少し曇り気味。

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ホテル8階のパノラマ・ヴューのミシュラン一つ星レストランLes Troi Domesで朝食のビュフェ。窓に面したテーブルからローヌ川や旧市街・新市街が大きく広がる。

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地下鉄D線で、旧市街へ。オレンジ色のおしゃれな車両である。

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地下鉄の駅からそのまま外に出ることなくケーブルカーに乗り換えることができる。ケーブルカーでリヨン一番の観光名所、フルヴィエールの丘へ。途中からトンネルになってすぐに頂上の駅に着く。

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上にはノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂がある。

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聖堂の横に展望台があって、旧市街からソーヌ川、新市街、ローヌ川、パール・デュー地区という順に時代を追って建物の変遷を見ることができる。

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塔にも昇りたかったのだが、午後に時間が決まったツアーがあるようだ。

丘からは徒歩で旧市街に下りる。狭い階段が現れると旧市街は近い。

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旧市街の狭い道路の両側にはカラフルなルネッサンス様式の建物が連なっている。

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旧市街のレストラン街のサン・ジャン通りでは、観光客向けに日曜日に開いているレストランがある。

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観光客向けの土産物や雑貨、菓子などの店が多い。

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ソーヌ川の川岸の公園では絵画や美術品の市が開かれている。観光客と思われる人々がかなり歩いている。

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ポン・マレシャル・ジュアンでソーヌ川を渡って新市街へ。反対側の岸では市民向けの食料品の市が開かれいて、多くの人々集まっている。

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新市街に出ると、昨日とは対照的に人がほとんど歩いていない。ランスでも見られた日曜日の朝の光景である。
ソーヌ川に近いレストラン街のメルシエール通りRue Mercièreにも人はいなかった。ただ、観光客向けに一部開店準備中の店もあった。

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YUKAKOというブティックもあったが、残念ながら定休日のようだ。

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ベルクール広場も人影はまばらだ。広場中央のルイ14世の騎馬像もどこか淋しげである。

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ホテルをチェックアウトして、タクシーに乗ってポール・ボキューズのレストランへ行く。12キロほど北のソーヌ川の岸辺にレストランはある。カラフルなレストランの前では記念写真を撮っている観光客もいる。

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2階の部屋に案内される。建物全体はいくつかの部屋に分かれているようで、それぞれの部屋はさほど大きくない。

まず、シュークリームのような巨大なグジェールがアミューズで出される。そのあと、小さなポタージュが出される。まず、シャンパーニュをグラスで。ルイ・ロデレールが上品な味わい。

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ワインはムルソー、プルミエ・クリュ レ・ポリュゾ ピエール・アンドレ2007を。
ピュイ・フュイッセも良さそうだったが、ソムリエのお薦めで甲殻類のメニューにエレガントでナッツやバターの風味の凝縮感あるムルソーを合わせる。やや酸が感じられるが、エレガントで深い味わい。料理の格に合う。

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パイで包まれた超有名なトリュフのスープ Soupe aux truffes noires V.G.E. (plat créé pour l’Elysée en 1975). 80€。1975年2月15日にエリゼ宮で行なわれた伝説の午餐会でヴァレリー・ジスカール・デスタン(Valery Giscard d’Estaing)大統領夫妻に捧げらた名物料理。スープはさらっとしていて油は少なめだが、コクがあり、フォワグラが入っている。パイは少し残した方が良さそうだ。

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オマールのサラダ Salade de homard du Maine à la française. 69€。絵にかいたような美しさの盛り付け。しっかりとした白い身の食感とエレガントな味わいが何とも言えない。

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ブレス鶏のクリーム煮 Fricassée de volaille de Bresse à la crème et aux morilles. 54€。ブレス鶏は肉がやや赤くコクのある肉質でポットに入った濃厚なクリームソースを後から注いでくれた。ブレス鶏はロースト系の有名料理があるのだが、2人以上からのオーダーなのでこれにせざるをえない。サヤインゲンや白インゲン豆の入ったサラダが付いた。

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エクルビスのグラタン Gratin de queues d’écrevisses Fernand Point. 55€。甲殻類の凝縮感あふれるコクと身のプリプリ感、高級食材の大ぶりのエクルビスが惜し気もなく皿いっぱいに盛られている。

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プチフールの盛り合わせ。これだけで普通のレストランのデザートくらいある。

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デザートは食べ放題26€。ほろにがい本物のコニャックがスポンジにしみ込んだが巨大なサバラン Baba au rhum “Tradition”。表面がかりかりと香ばしいクレム・ブリュレ Crème brûlée à la cassonade Sirioはこの店が発祥だという。ほかにもイチゴやフランボワーズのタルトなどおいしそうだが、これくらいが限界である。

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ポール・ボキューズ氏が全テーブルを回り、写真に応じてくれた。奥さんも2回テーブルを回っていた。素晴らしいサービス精神だ。

ワインセラーや調理場の様子も見ることができる。

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帰りにはメニューをお土産にくれた。

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タクシーを呼んでもらい、ホテルで荷物を受け取ってそのまま、パール・デューの駅まで行く。ここから空港行きのトラムに乗る。これもしゃれた車両である。途中3駅。30分で空港に着く。

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このリヨン=サン=テグジュペリ空港にもTGVが乗り入れており、フランス各地へのアクセスが良い。空港間の競争が激しいようである。

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ただ、免税店は乗り場ごとにあるため、利用できる店が少ない。免税になるEU以外への国際線が少ないためかもしれない。空港からは遠くにスイスアルプスの山々が見える。

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ミュンヘンまでルフトハンザ系のシティーラインで。国内線のイメージに近い。離陸してしばらくすると、スイスアルプスの上空だ。

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スイス上空ではアルプスの雪をかぶった三角形の山やギザギザの切り立った山が見えた。この路線では右の窓側を確保しなければならない。

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夕刻のためか袋入りのパンが出た。ビールも国際線だから無料。ルフトハンザのビールはドイツのエアラインだけあって濃くておいしい。

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暗くなってミュンヘン空港に着く。かなり大きな空港で、拡張工事中。ハブ空港になりつつあるようで、全日空の便もかなり便利である。全日空もルフトハンザとアライアンスを組んでいるおかげで、かなりヨーロッパ方面のアクセスが向上している。トランジットの時間は何と30分。パスポート・コントロールが相変わらず混雑しているため、ぎりぎりの乗り換え時間であった。

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