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イタリア旅行9日目②エノテカ・ピンキオーリ

世界最高のワインバー、エノテカ・ピンキオーリDSC04331

イタリア旅行9日目、フィレンツェ、ポンテ・ヴェッキオ橋の近くのホテルに戻って休憩のあと、いよいよ今回のイタリア旅行最後のイベント、エノテカ・ピンキオーリのディナーである。ホテルから徒歩で向かう。フェスティバルの会場になっているサンタ・クローチェ広場の前を通れば、店は近い。DSC04333

黒服のギャルソンが次から次へと丁重に迎えられるなか、かなり歩いて、着いたのはダイニングルームかと思ったら天井がない。夜空の見える中庭のテラスだった。暑い日だったので快適だ。ただ、虫がとんでいて、蚊に刺される。虫よけスプレーが必要。DSC04369

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まず届けられた厚紙、ワインリストにしては薄いなと思ったが、これは水のリスト。イタリアのアルト・アディジェのガス入りを選択。

ワインリストは電話帳くらい厚く、かなり重い。最初の方にあるグラスワインのデギュスタシオン・コースが面白い。イタリア、トスカーナ、トスカーナ対ブルゴーニュなどテーマ別にコースが組まれている。同じヴィンテージ4種類くらいのワインで構成されるグループがそれぞれ6つくらいテーマごとに設けられていて、一番上は白ワインのグループ、2番目以降は赤ワインである。全部で20本以上になるが、それぞれのグループから1種類選択するため、4本から6本の実質飲み放題のオーダーになる。上のグループから順に4種まで、5種まで、6種までと数が増えるにつれて、料金が高くなる仕組みである。後のテーマにはプレミアムワインのグループがあって、5大シャトーやシャトー・ペトリュス、DRC、アンリ・ジャイエなどが入ったグループは数千ユーロだったようだ。

そのなかで、トスカーナ対ブルゴーニュという欲張りで挑戦的なコースが気になり、LUCEなども入っていたので、これを選択する。スーパー・トスカンやボルドーが比較的多く、カベルネにソムリエの力が入っているようである。(トスカーナ又はイタリアのワインの傾向かもしれない。)200ユーロで銘醸ワインが4種、飲み放題。すべて、新しいボトルをその場で抜栓してくれた。そのためか、全体にやや硬い。

料理はワインのつまみに最適な225ユーロの料理のデギュスタシオン・コース「Autumn whisper秋のささやき」を選ぶ。DSC04334

料理のコースは9皿出て、味は洗練され、他のレストランと比較にならないほどレベルが高い。パスタもあったが30グラム程度。一口で食べられるようなものが多い。

1番目はブルゴーニュ白2012からはアンリ・ボワイヨのムルソー。フレッシュで繊細な香りとエレガントでやさしい酸味のバランスが良い。樽が軽くこのコースの幅広い料理と合わせることができるが、事実、前半の料理に合わせて、かなりこの白が続いた(店の戦略?)。DSC04343

2番目のブルゴーニュ赤2011からはデュジャックのモレ・サン・ドニを。華やかな香り、果実味とやさしい力強さを兼ね備えた素晴らしいワイン。

3番目の2009のトスカーナからLUCEを。日本でも超有名なスーパー・トスカン。サンジョベーゼとメルローが融合した柔らかいテクスチャーと上品で深い味わいのワイン。

4番目2008のトスカーナワインからはソムリエのおすすめがCastello dei Rampolla Vigna d’Alceo2008カステロ・デイ・ランポーラ・ダルチェオ。キャンティ・クラシコの生産者カステロ・デイ・ランポーラのプレミアムワイン、カベルネとプチヴェルドのボルドーブレンド。Cabernet – Petit Verdot。果実味と凝縮感のある味わいだが中盤イタリアワイン独特の豊かな酸味が感じられる。DSC04367

日本の普通のレストランでグラスで1杯ずつ飲んでも(グラスで出すとは思えないが)4杯で2万円は軽く超えると思われるワインのセレクションである。200ユーロは決して高くはないだろう。DSC04342

アミューズ3皿DSC04336

DSC04338DSC04340Red mullet, chick peas, capers and baconヒメジ、ヒヨコマメ、ケーパー、ベーコンDSC04344

Scampi ball 海老のボールDSC04345

Anchovies sandwich イワシのサンドウィッチDSC04346

Daurade roll and pumpkin 鯛のロールとカボチャDSC04349

DSC04350Frog legs with garlic and potatoes カエルの足、ニンニクとポテトDSC04353

Spaghetti alla chiterra、lobster and carrotスパゲティ・アッラ・キタッラ、ロブスターとニンジンDSC04354

Veal ravioli with leeks and mozzarella子牛肉のラビオリ、ニラネギとモッツァレッラ添えDSC04355

Lamb and porcini mushroomsラムとポルチーニ茸DSC04359

Pecorino,green tmato and grapesペコリーノチーズ、グリーントマトとブドウ(ピンボケですいません)DSC04372

Prickly pear and lycheesウチワサボテンとライチDSC04368

Hazelnut flan,orange and Burrata ヘーゼルナッツのフラン、オレンジ、ブッラータチーズ(ブッラータはイタリア原産のフレッシュチーズである。水牛または牛の乳を原料とし、モッツァレッラのようにパスタフィラータと言う製法で作られる。)DSC04375

Coconut,vanilla and walnuts ココナツ、ヴァニラとウォルナッツDSC04377

Green tea marshmallow 緑茶のマシュマロDSC04378

Beet-root meringue with pineapple ビートの根のメレンゲ、パイナップルとともにDSC04380

DSC04379Bitter chocolate caramel and Tonka beans ビター・チョコレート・キャラメルとトンカ豆DSC04381

225ユーロ

アミューズ3皿

料理9皿

果物1皿

デザート6品

一皿一皿の量はかなり少なく、重くないエレガントな料理で、脂も少なく、塩も控えめで、ワインとの相性も良く考えられている。この日までイタリア各地で食べてきた、イタリア料理のレストランとは別格の感がある。日本の懐石料理を思わせる繊細さ、素材の活かし方、料理技法、ヴィジュアル面、器の使い方、すべてにわたって先端をいく料理であり、ある意味でイタリア料理の領域を超えた、トップレベルのフランス料理やスペイン料理、日本料理に共通する、懐石風のデギュスタシオン・コースとして、普遍的な完成度の高さにある。

サービスもつかず離れず、心地よいサービスで決して冷たい感じはなく、グラスが空けばすぐにも注いでくれた。

ワインの質の高さとともに、ワイン愛好家及び料理愛好家はぜひ訪れるべき、世界最高のワインレストランであり、高級ワインバーであろう。決して安くはないが、ミシュランガイド3つ星にふさわしい、このレストランのためにフィレンツェを訪れる価値のある店である。

 

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