千住宿と旧日光街道
北千住の駅前のアーケードのある「きたろーど1010商店街」を西に進む。
少し行くと、旧日光街道の宿場町通りに出る。荒川方向に右折すると、にぎやかな商店街が続いている。この宿場町通りは商店街の人通りが多い。年齢層もかなり幅広く、若者向けの新しい店も開店しているようである。
このなかに古い民家がいくつか残っている。まだ保存対象に至らない昭和の民家もすでにレトロな街並みに組み込まれている。
この商店街、北千住サンロード商店街振興組合という正式名称のようだが、平成10年には通り名を「宿場町通り」と改め、アーチや看板には「宿場町通り商店街」を使っている。「サンロード」から「宿場町通り」に改めたのだから、振興組合の名称も変えても良いように思うが。平日4~6時、日祭日1~6時は歩行者天国となっている。
少し北方向に歩いた右側にある「千住 町の駅」はレトロな趣の休憩所。地方の伝統的な街並みの観光地によくある、まちの駅連絡協議会( 事務局:NPO地域交流センター)所属の「まちの駅」ではないようである。都内で「まちの駅」は江戸川まちの駅・川の駅推進連絡会又はあらかわ区まちの駅ネットワークに所属するものがほとんどのようである。
この「千住 街の駅」で「大千住マップ」を無料で入手できる。スタンプラリー付きで千住の街歩きには必須のマップである。ほかにネットでダウンロードできる「歩こう足立<千住編>宿場のなごりを歩こう」も千住の街歩きには使える。
宿場街通り商店街は、①建物はレトロなまま現代風に元気に営業している店、②宿場の雰囲気に合った昔から続く店、③新しく若者層をターゲットにオープンした新感覚の店、④レトロな雰囲気だが新たにオープンした店、などなど様々なタイプの個別商店が軒を連ねていて、商店の博物館的な通りである。
そのなかに保存対象となっている古民家の横山家住宅や絵馬屋・吉田家なども点在していて、通りを歩いていて飽きない。全国チェーンや大型店はほとんどないのが面白い。
その中に都内でも数少ないフランス料理の惣菜店、ラ・ルミエールがある。 ワインのつまみに買っていきたいところである。
途中で北千住サンロード商店街振興組合からサンロード宿場通り商店街に商店街の名称が変わる。また、途中で交差する細い道は北千住サンロード商店街という名称、名称は似ているが街灯やペナントのデザインが異なる。人通りは少なくなるが、趣のある店や民家が点在する。
さらに宿場通りを北に進むと右側に名倉医院がある。1770年ころから柔術などを教えながら骨接ぎを手掛けてきた名医だそうで、入口には江戸時代を偲ばせる長屋門がある。名倉と言えば骨接ぎの代名詞になるほどで、関東一円から駕籠や車でかつがれて骨折患者でひしめいていたとのこと。医院の前の駐車場は当時駕籠や大八車の溜り場だったそうである。周辺にはいくつか下宿屋があって、主人が名倉医院で治療にあたる医師や接骨師を兼ねて、入院治療を行っていたそうである。