蔵前というと昔国技館があった街、程度のイメージしかなかったが、最近、蔵前が最近トレンドスポットになっているという噂が複数の方向から聞こえてきていました。まだ、日中は暑い土曜日でしたが、思い切って行ってみることにしました。
最寄駅は都営地下鉄浅草線の蔵前駅。大江戸線の蔵前駅もあるが、両社は地下ではつながっていない。いったん地上に出て、5分程度歩かなければならないので注意を要します。
マンションの建設計画のある表通りの萩原亀吉商店のレトロな建物の間を入って、隅田川沿いの通りに向かいます。この通りはカフェなどが集中しているようで、どうやらこの辺りがトレンディスポットのようです。その中心にある大型のビル、MIRRORというコンバージョン・リノベーションプロジェクトとして、2011年にオープンしたものだそうです。このビルのカフェで昼食をとることにしました。リバーサイドカフェ・シエロイリオ （Riverside Cafe Cielo y Rio）という、180席の大規模なカフェレストランです。
ちょっと待って案内されたのは、1階の窓際の席で、外は喫煙可能なテラス席となっています。高い堤防があるため隅田川は見えませんが、外はオープンテラスには緑の植え込みがあり、も見え、スカイツリーも見えるなど環境は悪くはありません。
ランチメニューは限定メニューのヘルシーバランスランチ(休日1200円)は売り切れとのこと。日替わりパスタランチやサラダプレートランチなど1000円以下のメニューも多いです。
一皿ずつ出るランチのコースは1800円。アンチパストは生ハムやイチジク。メインとして牛ハラミのソテーか生パスタのズワイガニのグリーンビリルトマトクリームソース・スパゲッティーニを選べます。
ワインのリストはリーズナブルのものが多いです。ハウスワインのグラスに比べて、ワインリストからグラスかカラフェでいただけるおすすめワインリストがあります。グラスも本格的で、量も多め120CCくらいあります。
パスタもメインの肉料理本格的イタリアンレストラン並み。デザートまでゆっくりと楽しめて、２０００円でした。スタッフの声などがちょっと騒々しいのが難点ですが、まあまあの雰囲気とサービスです。
3階以上は隅田川の眺めも良く、パーティーもできる部屋もあるので、ワイン会などのイベントなどにも使えそうです。
実はこのMIRRORというビル、コンバージョン・リノベーションプロジェクトとして、業界的にはかなり注目を集めたものです。5階はパーティースペースGocai。3階にはギャラリー、6階はプライベートサロンPrivado。4階は卓球バーRIBAYON。デザインや環境にこだわった、先進的な複合施設となっています。
この施設に影響を受けるように、周辺には注目すべき店が次々とオープンしています。MIRRORの並び、厩橋側には蔵前イタリアン ピンツォPINZOがあります。
厩橋の北側に進みます。白い瀟洒なレストランのビルがあります。この店、ナベノ-イズムNabeno-Ismはガストロミージョエルロブションの総料理長を務めた渡辺雄一郎さんが、今年の7月7日にオープンさせた新しいフレンチレストランです。東京都建設局が、水辺の更なる魅力向上と地域の活性化を目的に、河川の管理用通路を活用して飲食店の営業を行う社会実験「かわてらす」に応募したものです。ランチは10000円、ディナーは20000円(税サービス料込)とロブション価格ですが、一度行ってみたい店です。
もう一つ「かわてらす」の店はボン花火という、食堂＆居酒屋をコンセプトにしたカジュアルな店です。この店も7月にオープンしています。こちらは気軽に行けそうです。川床（ｶﾜﾃﾗｽ)には大きなパラソルがあります。
このビルの３階には、かわてらすはありませんが、ビストロバル・トロワキュイがあり、こちらも隅田川の眺めは良さそうです。
“かわてらす”とは
人々が集う川沿いの“テラス”席という意味に加え、水辺でにぎわうみんなの表情を楽しく“照らす”、太陽の光と水面に反射した光によってみんなの顔を明るく“照らす”という意味を込めて名付けました。(東京都ホームページ)
隅田川の社会実験の募集はこの2軒で終了しましたが、日本橋川では、まだ募集しているそうです。
行政、しかも建設局が主体となって、民間事業者と連携しながら、水辺の魅力に着目した開放的な飲食店づくりを目指すというプロジェクト。
東京都建設局の先進性を感じます。まだまだ河川や道路などの空間活用に、原則重視の頑なな傾向がある全国の自治体の建設部局でもぜひ取り組んでもらいたいものです。
