北千住という街はどういうイメージをもたれているのだろうか。2014年みんなが選んだ住みたい街(駅)ランキング関東版（リクルート住まいカンパニー）で前年の48位から21位に順位を （2015年は28位）上げた。今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」と思う駅ランキング北千住は８位に、穴場だと思う街(駅) ランキングでは2位の赤羽に２倍以上差をつけてダントツの1位である。このようにランキングの上位に入っているのは偶然ではない。この街にはこれからの街づくり、地域づくりのヒントが数多く隠されているのではないか。今回（2016年1月）、2日にわたってこのエリアを訪れて抱いた感想である。
島のような千住エリア
足立区の中でも千住地区は南部にあるエリアである。西新井あたりが中心で、区役所もこのエリアにある。現在は荒川と隅田川に挟まれた千住のエリアだが、荒川は水害対策として明治から昭和にかけて新たに掘削された人工河川だから、もともとは北側は地続きで、足立区の他のエリアと一体だったが、現在は周囲がほとんど河川などで分断され、あたかも島のようなエリアとなっている。
歩いて楽しめる街
北千住は、都内でも、近年、特に交通ネットワークが整備され拠点性が増したターミナルである。この北千住を中心とする千住エリアは、この北千住という鉄道駅を中心として、日光街道（国道４号線）以外には高速道路を含む自動車交通の幹線道路はなく、歩行者中心の通りが縦横に走るコンパクトな街であることが特色となっている。南の隅田川と北の荒川により、街が囲まれていることが、結果として街の無秩序なスプロールを防ぎ、限られた土地にコンパクトで凝縮した市街地が形成されているのではないだろうか。
日本的な文化を感じる街
一方で、かつての宿場町の面影を色濃く残す古民家や寺、蔵など歴史を感じさせる日本的な建築物や街並みが残っている。今、若者の街に対して嗜好のトレンドが従来の青山、原宿、代官山などの西洋的な街、セレブの街から日本的な文化や歴史を残す街、身の丈に合った街にシフトしてきているなかで、若者たちの共感を得ているのではないだろうか。インバウンドの増大に伴い、外国人観光客が日本文化を感じる街に流れ込んでいることも影響しているのだろう。このあたりは再開発がほとんど行われていないし、建物も木造のものが多い。
