新たに今年から祝日となった山の日の8月11日、30度を超える真夏の上野不忍池界隈を訪れました。
JR御徒町駅を降りてまず向かったのは、湯島天神下にあるタイ料理のレストラン「サイアム食堂」。かなりカジュアルで大衆的な雰囲気です。1階がカウンターのあるスタンディングバー。2階がテーブル席。3階が掘りごたつのお座敷です。1、2階はほとんど満席で、3階に案内されました。下駄箱に靴を入れ、下足札をとって座敷に上がります。タイ料理にお座敷というマッチングもなかなか良い。
メニューが豊富で前菜から魚料理、肉料理、麺料理、ご飯料理、デザートまでフルコースをアラカルトで選べます。カレーや緬料理は780円均一。全体的にリーズナブルな価格設定です。
まずは海老のすり身揚げ。新メニューだそうです。こちらのものは、よくあるものと異なり、かなり薄いのが特色。前菜としての軽さがあり、白ワインのおつまみとして最適です。
メインは最近タイ料理の定番となりつつあるパッポンカリー。ソフトシェルクラブなどのカニを使ったプーパッポンカリーが一般的ですが、ここでは海老中心のシーフードカレーです。ピーマンやセロリといった野菜にシーフードをココナツなどで炒めたものを、ふわふわした炒り卵でとじています。辛さはマイルドで、炒め具合も程よく優しい味わい。ココナツ由来の甘さも感じられます。
締めは、最近はまっているタイラーメンのカオソイ。チェンマイ地方のカレーラーメンでココナッツ風味のカレースープ、普通の中華麺のほか揚げ緬がトッピングされるのが特徴です。辛さはマイルドで、ココナツのスープはかなり濃厚なコクと甘さ感じられ、ボリューム感があります。柔らかい鶏肉がゴロゴロと入っています。この店は具材に定番の白玉ねぎ、紫玉ねぎやパクチーのほか、モヤシが入っていて、シャキシャキ感があるのが特色。先日訪れたオールドタイランド新橋店とレベル的には同等でかなりの美味しさです。しかもオールドタイランドは1100円でしたので、こちらの店の方がはるかにお得です。
ボトルのワインもかなり安いものが色々ありましたが、ランチなのでグラスワインを。定番タイワインのモンスーンバレーのほか、アルゼンチンワインのシャルドネとカベルネがありましたのでこちらを注文。カベルネがちょっと酸化劣化していて、紹興酒っぽいニュアンスになっていましたが、エスニックに合わないこともない。シャルドネは問題ないのですが、温度がちょっと高めでした。
店を出て不忍池は5分とかからない近さです。不忍池周辺では、炎天下にもかかわらず、多くの人々が散策を楽しんでいます。
外国人観光客の姿も見えます。仏教の池でもある不忍池には午後でもまだ蓮の花が咲いています。夏に咲く蓮はもうそろそろ見納めですが、まだまだ咲いています。
すでに、咲き終わってシャワーヘッドのようになった蓮の実が数多く見られます。
この不忍池の南西部の蓮池のあたりを、第二次世界大戦後に国際野球場を建設数る動きが具体化し、都議会でも議論されましたが、地元住民や商店主、文化人の反対により阻止され、現在まで都心の貴重な水辺空間が守られてきたとのことです。
この事実は、次に訪れた水上音楽堂の隣にある下町風俗資料館で知ることができました。この資料館、入場料300円で、大型映像やジオラマはありませんが、かなり面白い施設です。原則写真撮影も可能です。 1階には大正時代の下町の街並みが再現されています。
2階には実際に遊ぶことができる玩具がありや、鉄棒の玩具は大車輪のタイミングが難しい。
下町カフェでは外国人がテーブルでパズルゲームを楽しんでいました。
資料の展示室には明治後期から関東大震災、第二次世界大戦後に至る、浅草や上野の写真や資料が展示されています。
明治時代の松坂屋屋上から見た上野の写真を見ると、西洋風のレンガ造りの建物があり、現在の雑然とした街に比べて、はるかに都市としての風格があります。さきほどの不忍池の野球場建設に関する新聞記事もここにありました。
東京オリンピックの入場券、プログラムやポスターもありました。素晴らしいデザインです。 昭和30年代と思われる庶民の家の茶の間は懐かしい光景です。よくできています。
この資料館、江戸東京博物館ほどの大規模な展示はありませんが、小規模ながら参加型の展示があり、子供でも楽しめるように工夫されています。日本を訪れる外国人にも日本人のかつての庶民の生活が理解できる施設として、満足できるものではないかと思います。
帰りに立ち寄ったアメ横はこの季節、ウナギが1800円の値札のものをどの店も協定価格のように1000円で売っていましたが、大丈夫でしょうか。まぐろはさほどお安くはありませんでした。