4月19日日曜日、翌日から開催される世界料理学会の前日に函館入りして、以前から地域を活性するイベントとして関係者の間で話題に上がっていた、函館バル街に行ってきました。全国の類似のはしご酒イベントの先駆けとなった行事です。
事前のネットによるチケット予約は満席になっていたため、当日券を求めてバル街の事務局のある函館地域交流センターに向かいました。発売開始時間は13時30分、15分前には行列が既にできていました。
予定よりも早めに販売を開始してくれました。当日券は5枚つづりのチケットにパンフレットが付いて4000円、前売りや事前予約では3500円です。念のため2セット購入しました。隣で、世界料理学会のチケットの引換えを行っていました。なんと、世界料理学会の中心人物「レストラン バスク」のオーナーシェフである、深谷宏治さんが自ら窓口でチケットを渡しておられました。
ランチをとっていないので、事前に荒井早百合さんから伺ったお勧めのミシュラン1つ星フレンチLe climat HAKODATEに行ってみたところ、まだランチの時間でバル街は4時からスタートとのこと。ランチ代わりに大三坂のtomboloへ。
農楽蔵とのコラボだそうで、バル街メニューのシードルと自家製天然酵母のパンをいただきました。パンはモッツァレラチーズとトマト煮込みのオープンサンド、はちみつとバターのキャラメルラスクです。硬い食感、香ばしい味わいで天然酵母のシードルに良く合います。
農楽蔵のワイナリーも近くにありましたが、この日はクローズでした。
そのあとバスで函館市北部の石川町の蔦屋書店へ。代官山T-SITEの蔦谷書店の全国展開1号店です。昭和営業所のバス停から20分以上程度歩きました。幹線道路沿いのショッピングセンターのような大きな箱の店は中が2階建てになっています。T-SITEとして位置づけられる代官山の蔦屋書店よりはやや普通の店ですが、感性の高い店舗構成で、地域のコミュニティの拠点として、文化を感じさせる施設です。
2階はDVDやCDのレンタル・販売。1階が書店とオーガニックレストランです。世界料理学会コーナーもあり、玉村豊男さんなど出席者や報告者の本もありました。
タクシーで旧市街に戻ると、大三坂を下ったところにあるバルのラ・コンチャはすでにオープンしていました。その前に、18時から生ハムとチーズの振るまいがあるというので、アクロス十字街に行ってみたところ長蛇の列で30分近く待ちました。ここは行くべきではなかった。
このあと直ちにLe climatに行ってみると500食限定のフレンチはすでに完売。店の中に客はいたので、ちょっとの違いでダメだったようです。毎回来ている常連は知っているのでしょう。
そこで、気をとりなおしてラ・コンチャへ。スペイン・バルそのものの雰囲気です。スペインの赤ワインはスペイン中央部、マドリードに近い産地。
塩ダラのコロッケは本場スペインのバスク風で美味しかったです。
お店にいた客に聞いてお勧めの店を教えてもらいました。蕎麦屋で珍しい日本酒が飲めるということで、tomboloの隣の久留葉という店へ。行列ができています。
蕎麦ゆかりの信州の銘酒、純米吟醸酒の「鼎」とともにいただきました。日本料理に日本酒もいいものです。
外ではパフォーマンスも。隣の店スプラウトはすでに完売です。ワインも飲みたくなったので、五島軒へ。バル街はホールで合同で開催中でした。ジャズ・バンドの生演奏中、たくさんの客でにぎわっていました。
世界料理学会の報告者でもあるワインショップ・ワダ店主の和田さんがサービスをしていました。和田さん、アクロス十字街と世界料理学会のパーティーでもワインをサービスしていました。フル稼働です。バル街メニューのボルドー、メドック地区の2005年の飲み頃ワインを袋入りのおつまみのピンチョとともにいただきました。
ここで居合わせた客から新たな情報を入手。海岸沿いの店で生きたエビをふるまっていて、ジビエもありワインもうまいとのこと。太刀川家のとなりにあるTACHIKAWA CAFÉ。かなり遠い場所なので電話をすると、もうあと2つでおしまいとか、電話での問合わせではもう終わりとのこと。
まだ間に合いそうな雰囲気なので、タクシーを飛ばすと、まだ一つ残っているとのことで、入らせてもらいました。
ミニ鹿肉丼。熱々でジューシーで旨い。赤ワインをいただきました。プラスチック製グラスのステムが外れて赤ワインがこぼれるというハプニングもありました。
後から来た客も店に入れていたので、2皿目を注文。鹿肉の煮込みがうまい。グラスもガラス製に代わって、ワインも旨い。
またタクシーで元町付近に戻ります。青函交流による特別参加で青森の店が出店している丸山園お茶の倉へ。弘前フレンチのシェ・アンジュと青森市のKeiが出店。
シェ・アンジュの青森シャモロックと黒にんにくのキッシュ。深浦産雪の下人参のムースです。
ここで弘前のレストラン山崎の山崎隆シェフに会いました。弘前フレンチのリーダーとして、青森関係者から、うわさには聞いていましたが、会うのは初めて。世界料理学会の報告者にもなっています。意気投合した山崎シェフと一緒に茶店バーやまじょうに。
ウクレレライブの真っ最中。19回目だそうです。和洋のピンチョスに赤ワイン。青森の話で大いに盛り上がって、世界料理学会のシェフたちがラ・コンチャに集まるというので一緒に行かないかと誘われ、再びラ・コンチャへ。
【左が山崎シェフ】
ラ・コンチャではミシュラン3つ星の和食、龍吟の山本シェフ以下のスタッフをはじめ、世界各国のシェフが集まって盛り上がっていました。
こちらに入り込んでしまったので、バル街はこれで終了。チケットは2枚使わずに残ってしまいました。
函館バル街はこの種のイベントの創始者だけあって、ワインとピンチョスが充実しています。スペイン・バスクのサン・セバスチャン、旧市街のバル巡りが思い出されました。初めて出会った人々と親しくなって、店の情報を入手したり、世界料理学会で集まっているシェフとも話をすることができ、楽しく充実したひと時でした。