年末フィギュアスケート全日本選手権観戦のための長野旅行の2日目、午前中、軽く長野市内観光をしました。天気は良好でホテルの窓から雪山が見えます。朝、ホテルの朝食に向かおうとすると、羽生弓弦選手のコーチ、ブライアン・オーサー氏がエレベーターから降りてきました。
1階のレストランフロアでは高橋成美選手がエレベーターに乗るところでした。かなりの選手や大会関係者がこのホテルに泊まっていると思われます。このホテル国際21とホテルメトロポリタンが、長野市内の大型シティホテルとしてはメジャーだから当然なのでしょう。
朝食のビュッフェは特に郷土料理はなかったので、カレーを選びました。けっこうスパイシーで美味しいです。
まず、ホテルの近くの信州味噌の老舗「すや亀」に立ち寄りました。昨日、味噌むすびを購入した善光寺店の本店です。味噌だけでなく、味噌漬けなど味噌を使った商品開発レベルがかなり高いようです。
ビーフシチューやロールキャベツなど味噌を使った洋食の惣菜までありました。ここでは、高級魚の銀だら味噌漬けと豚ロース肉を買いました。
善光寺の仲見世通りへ。昼食にはまだ早い11時でしたが、昨日は入れなかったそば店の十割そば大善が開いていたので早速入りました。待ち時間なしでした。
十割そばと更科の盛り合わせの2色そばと山菜・野菜の天ぷら盛り合わせを注文しました。超極細の美しくコシのあるそば、繊細な味わいです。更科は真っ白ですが、ほのかに上品な蕎麦の香りが感じられます。
十割そばもかなり流麗で、さらに香りは豊かです。山菜や野菜の天ぷらも軽くサクッとして、苦みや青味など素材の味わいが感じられます。店を出ると外にはすでに行列ができていました。
権堂のアーケードは少し寂しなっていました。かつての権堂の花街御用達の呉服店や足袋の店は業態を変えていたのはちょっと寂しいことでした。
旧呉服の店を改装した表参道まちの駅では、長野の特産品、青果物、健康食品などを販売しています。ミニ市場的な店です。特に豆の品ぞろえが素晴らしい。
松葉屋家具店は一枚板テーブルの店です。
一粒万平は地元野菜を中心としたヘルシーなメニューのスローフードレストランです。 権堂まちづくりセンターは、権堂まちづくり協議会によって運営される地域のまちづくりの拠点です。文化貢献に熱心な北野建設により運営されている北野文芸座です。寄席などの公演をしています。
通りの建物は、デザインコードがあるためか、新築のものは、黒い瓦屋根に白い壁の蔵が多いです。
かなり前に建てられたマンションがちょっと雰囲気を壊していますが、低層階の瓦屋根やファザードで何とか街並みの統一感を出そうとしてます。
和風の再開発でまちづくり関係者の間で話題になったぱてぃお大門は、観光客で相変わらず賑わっています。魅力的なレストランがあります。
おやきのカフェも面白いが、ここでは信州プレミアムショップがお薦めです。
すべて長野県産のレベルの高い食品やクラフトが揃っています。長野産の果物や野菜を使ったジャムや漬物が気になります。
人気NO1の胡麻辣油、1本購入しました。早速、餃子のたれに使いました。特に長野県産のワインはかなりそろっています。今新しいワイナリーが誕生しつつある、千曲川ワインバレーの東御市のワインもありました。全国に先駆けて長野県原産地呼称管理制度を創設した長野県だけのことはあります。
地元の商業高校生や専門学校生のデザインによるワインラベルのワイン。
カフェも併設されているので、ゆっくりと楽しむことができます。
こちらは地元で有名な寒天製品のかんてんパパの店。かなり昔に放送されたテレビ番組の減点パパに由来するネーミングから、歴史を感じさせます。
「門前農館」プロジェクトは、善光寺の門前に、蔵づくりの店舗を活かした信州らしい拠点をつくりたいというJAながのプロジェクト。地元野菜を使って蒸した手作りおやきが好評です。「辛大根」「野沢菜」、あんこにかぼちゃを入れた「あんかぼ」など。
立派な洋館の御本陣藤屋旅館は江戸時代の御本陣、加賀百万石・前田家藩主が常宿としていた由緒ある旅館ですが、大正ロマンあふれる洋館でのウェディングも人気のようです。御本陣藤屋旅館の向かいには、パティスリーHEIROGOがあります。生のケーキのほか、焼き菓子も美味しそうです。カフェも併設です。
明治26年創業の武井工芸店。信州の手仕事、木彫・陶芸・染織・絵画・郷土玩具など信州の民芸・工芸品を紹介しています。隣は小布施の栗菓子の竹風堂、奥が創作郷土料理の彌生座です。
八幡屋礒五郎は昔からの善光寺参りの土産物である唐辛子の老舗ですが、商品開発意欲も旺盛で、唐辛子ソフトに加えて、唐辛子マカロンもあるのが素晴らしい。
柚子だけ売り切れなのは、全日本フィギュアスケート選手権観戦に訪れた羽生結弦の追っかけファンが買い占めたものと推察されます。
門前から県庁方面に向かう官庁通りという通り、観光客はいませんが結構面白いです。昭和を感じさせる昔ながらの通りですが、レトロな洋館の銭湯亀の湯があります。
通りにセラーズ・キタムラという立派な店構えのワインショップがありました。中に入っていみると、手前の右側の棚にはフランスやイタリアの優れたワインが並べられていて、9月に訪れイタリアのモンテプルチャーノのアヴィニョネージのヴィノ・ノビーレ・ディ・モンテプルチャーノがありました。
奥の棚にはシャンパーニュのプレステージが並んでいます。これだけ揃っているのは、東京のワインショップでも少ないでしょう。手前の左側には長野県産のワインと日本酒がありました。ヴィラデスト、リュー・ド・ヴァンのほか、小布施のドメーヌ・ソガも揃っていました。わざわざ小布施に行かなくても長野市内で購入できるのが良いですね。長野を訪れたら、ワインファンはぜひ訪れるべきでしょう。
あとで調べたところ、こちらのオーナー店長の北村さんは、日本ソムリエ協会のワインアドバイザー選手権大会優勝者だそうです。なるほどと思われます。長野のワインのレベルの高さが伺われます。
観光客が訪れる街で、どれだけ地域で作られた産品が売られているかどうかによって、地域の伝統・文化や地域づくりに対する人々の思いが地域の品格として評価できるものです。
長野の食についていえば、蕎麦に加えて、地元の野菜を使ったスローフードのおやきもファストフード的に気軽に食べられるのがイタリアのピザやフォッカチャに通ずるような気がしますj。長野の伝統野菜を使った料理のビュッフェレストランもあるなど、地域の伝統食材に対する熱い心が感じられます。
信州味噌の老舗すや亀では、ファストフード的な味噌ソフトや海苔を巻いた味噌焼きお握りが人気ですが、魚や肉の味噌漬けも様々な種類があり、味噌の深い味わいが想像されて、思わず購入してしまいました。
ホテルに戻り、徒歩で長野駅に向かいます。2階建てバスのカフェも10年前と同じ光景です。
最後に駅前のながの東急へ。ここには小布施の栗菓子の三大年老舗が揃っています。櫻井甘精堂で、栗のシュークリームを購入。このクリームは洋菓子店のクリームとしてもかなりのレベルが高いです。購入して翌朝食べたところ、クリームの香りとコク、栗が入りながら、クリームのきめの細かさが秀逸でした。洋菓子として、ほかにもおいしそうな商品がありましたが、専門のパティシエがいるのでしょう。
3店舗、それぞれ特色があり、竹風堂は門前にも店があり、栗おこわも名物で、小布施と同じように食事もできます。
帰りの新幹線は新しい栗色の車両。ゆったりと車内で、新しい臭いがしました。
車内にはフィギュアスケートの無良選手のご家族も乗り合わせていましたが、町田選手の引退表明により、世界選手権への繰り上げ出場が決まるのは、これから数時間後のことでした。