1月12日の成人の日に相模大野に久しぶりに行ってきました。
駅前の再開発が終了し、大規模な商業施設と住宅などからなる複合施設ボーノ(BONO)相模大野が一昨年の春にオープンしています。商業施設はショッピングセンターを挟んで、ノースモールとサウスモールの3棟から構成されています。野村不動産が初めて開発・運営を行う大型商業施設とのことです。南棟は高層の 分譲住宅プラウドタワー相模大野と 賃貸住宅 スカイフラッツが高くそびえています。
中央に位置するショッピングセンターにGMSはなく、1階の食品スーパーのライフなどがキーテナントです。2階が食料品フロアで、こだわりのあるハイレベルのテナントが入居しています。綱島の酒販店吉祥のKISSYO SELECTが入っています。日本各地の日本酒や焼酎の希少ブランドのほか、直輸入のワインがかなり充実して、手ごろな価格のワインが並んでいます。港北区の本店同様、バーコーナーもあります。吉祥さん、トレッサ横浜に続いてのョッピングセンターへの出店、積極的です。 自然食品専門店の「こだわりや」や高級パン店のメゾンカイザーなどハイグレードの食品店をそろえています。
相模原市のアンテナショップのsagamix(さがみっくす)も注目すべき店です。政令指定都市でありながら、広い農地があり、農業が盛んな相模原の地産地消の拠点で、パン、野菜、スイーツなどを販売するほか、カフェも併設しています。
食品フロアは1階の総合食品スーパーのライフがありますが、2階も食品売り場がほとんどで、このショッピングセンターの特色となっています。
3階は若い世代をターゲットとしたファッションフロアです。LOFTもあります。
4階は書店のブックファーストやベビー・マタニティ用品のHellow赤ちゃんのほかサービス系が中心。5階はスポーツクラブのメガロスなど、6階は屋上庭園「Saga-niwa」を囲むレストランフロアです。これらについては、特に、新しい試みはなさそうです。
ショッピングセンターの地下1階には売り場も駐車場もなく、947台収容の大規模な市営駐輪場となっています。最初の3時間は無料とのこと。相模大野駅周辺の放置自転車を防ぐ対策として整備したものと思われますが、大胆な市の決断だと思います。
サウスモールでは2階のボーノ横丁がちょっと面白いところ。昭和レトロ風のおじさん飲み屋街風のつくりでラーメン店や焼きそばなど主としてB級グルメ店が並んでいます。界隈性の少ない新興住宅都市相模原市にあって、あえて人工的にビルの中に横丁を作り出して、コミュニティ的な賑わいをつくろうとしたものと思われます。
清勝丸というラーメン店に入ってみました。ラーメン激戦区相模原のラーメングランプリ準優勝の濃厚中華そばはかつお豚骨の濃厚出汁。カツオのざらざら感があり、ちょっとどうかと思いますが、かなりコクはあるスープで中太の麺、まあまあの味でしょうか。
あっさり好きにはあっさり煮干し中華そばもあります。
このサウスモールの3階にユニコムプラザさがみはら(市民・大学交流センター)があります。「市民と大学が交流し、学習や研究を通じて連携を深め、地域の課題解決や活性化を図る地域活動・市民活動の拠点となる施設」というかなりレベルの高いコンセプトを持つ施設ですが、大学情報コーナーやシェアードオフィスがある以外は通常のハコモノ施設に近いようです。
ノースモールはショッピングセンターと一体的なビルで、ファストフード中心のテナント構成ですが、4階に相模大野パスポートセンターと住民票・戸籍などの証明書が取得できる「相模大野駅連絡所」が設置されています。
BONO相模大野は官民連携的なプロジェクトの方向性が感じられ、注目すべき再開発施設です。ただ、相模大野駅周辺や隣接する町田市中心部の商業施設の状況からみて、かなり入居店舗は苦戦が予想されると思われます。
駅ビルの相模大野ステーションスクエアは小田急の運営する商業施設。アウトレットモールがかつてありましたが、現在は撤退して、そのあとに大型店などがはいっていて、普通のショッピングビルになっています。
小田急系のちょっと高級なスーパーのOdakyu OXをはじめとして、ユニクロ、ビックカメラ、無印良品、ダイソー、くまざわ書店、山野楽器などかなり強力なテナント構成で、小田急系のホテルセンチュリーも入り、新横浜の駅ビルにちょっと似た雰囲気です。
駅前の商店街は歩行者専用になっていて、成人の日のイベントを開催中でした。この日は伊勢丹相模原店に隣接する相模女子大グリーンホール(命名権が相模女子大に付与されているための名称で、正式名称は相模原市立文化会館)で成人式が開催されたため、晴れ着の新成人で賑わっていました。
駅に近い相模女子大学のほか、北里大学や女子美術大学に行くバスの発着駅で、女子大が複数立地していることもあり、相模大野には華やいだ雰囲気があります。
商店街を通っていく伊勢丹は、かなり苦戦の様子。デパート離れと駅前の3つのショッピングセンターの影響もあるでしょう。
相模大野周辺の来街者については、多摩ナンバーと相模ナンバーの車がほぼ同数のように思われ、町田方面からかなり来ているようです。横浜ナンバーは長津田など横浜市青葉区から来ているもの思われますが、やや少ないようです。アピタ長津田や南町田のグランベリーモール、鴨居のららぽーと横浜など大規模な商業施設があるからでしょう。
相模原市全体の人口は増えているとはいえ、相模大野のある南区はや隣の町田市の人口増は鈍化しつつあり、パイが限られる中で,新たな大規模商業施設の立地は一駅2キロの距離にある町田市中心部の商店街や既存の大規模商業施設への影響が予想されます。
今後のこの地域の商業動向を注目していきたいと思います。