マカオでは急速に観光開発が進んでいます。経済発展が続く中国の大量の富裕層をカジノをはじめとするその観光資源が受け入れているからです。相次ぐ大規模ホテルの建設で、観光客は大幅に増加しています。
香港からマカオに向かうフェリーに乗るため、香港島の上環にあるマカオ・フェリーターミナルに向かいます。地下鉄の駅からビルを結ぶ連絡通路に上がり、そのまま連絡通路を進むとターミナルに入ることができます。
この日は土曜日のためかフェリー・ターミナルは大混雑です。2時間後のフェリーのチケットが何とか入手できるという状況。券売機のところにいると、チケットショップの人が出てきて、すぐ出るフェリーのチケットがあるということで購入しました。プレミアムが付いていてかなり割高ですが、貴重な観光の時間を確保するため、やむを得ず購入しました。事前の購入をお薦めします。帰りの便はマカオに着いて、早速購入しました。フェリーは1時間ほどでマカオに着きます。
マカオ外港フェリー・ターミナルからは各ホテルの無料送迎バスが次から次へ出ています。今回宿泊するヴェネチツィアンのバスにすぐ乗ることができました。途中、窓の外には大規模なホテルをいくつも見ることができます。
海上に架かるマカオ・タイパ大橋を通って島部へわたります。島のコタイ地区には、日本にはないレベルの大規模なカジノ併設のホテルが続々と建設されていて、ラスベガス(行ったことはありませんが)のようです。
ホテルのチェックインにも長い行列ができています。行列待ちの客が退屈しないように専任の従業員が話しかけてくれます。日本語が話せる人もいて、なかなかのサービスでした。
ホテルのチェックインの後、再びマカオ半島へ。タクシーにはすぐ乗れます。ただ、ホテル従業員がタクシーの苦情ペーパーを配っています。問題のあるタクシーはメモして後でホテルに渡してほしいとのこと。余程、問題のあるタクシーが多いのでしょう。実際にこの時乗ったタクシーも目的地を間違えた上(間違えたふり?)、目的地に近くなってからは、同じところを2回まわったうえで、やっと到着しました。英語は全く通じません。
マカオの観光の中心はセナド広場です。ここから聖ドミニコ教会の前を通って板樟堂街、大三巴街から聖ポール天主堂跡へ向かうのが観光客のメインルート。その沿道は商店街になっていて、ファスト・フード店や雑貨、ファッションなど有名店や土産物店が集まっています。
マクドナルドやダイソーもあります。
このメインルートは土曜日のためか祭りのような大混雑です。特に天主堂跡につながる大三巴街は大混雑です。 手信とは土産のことで、鉅記餅家はガイドブックによれば菓子などの食品類の土産店のトップセールスを誇るチェーン店だそうで、マカオ内に13店あるそうですが、すごい混雑です。
香港にあったワイン店のWatson’s Wineもこの通りにありました。この店のワインの品ぞろえは素晴らしい。DRCも揃っています。
聖ポール天主堂跡はパリのモンマルトルの丘のサクレ・クール寺院のように階段を上った丘の上にありますが、教会は火災で焼失し、現在はファザードと階段壁の一部が残るだけとなっています。
丘から少し入ったところにあるモンテの砦。イエズス会の修道士によって聖ポール大聖堂と同時期に、外部の攻撃から街を守るために造られたに造られた大炮台があります。ここから歴史的地区であるラザロ地区には大炮台廻廊というビルを通って行くと便利です。このコースはメインルートから外れているため、さっきまでの喧騒からは信じられないほど静かです。
ラザロ地区は聖ラザロ教会を中心にヨーロッパ風の古い街並みが続きます。モザイク模様の石畳の道やクリームイエローの洋館が続く、落ち着いた雰囲気の街並みです。
瘋堂十號創意園という洋館はアーティストや市民のためのギャラリーでワークショップやセミナーが開かれているそうです。
隣の仁慈堂婆仔屋は歴史的建造物でショップやギャラリーが入っています。ほかにも歴史的建造物を利用したギャラリーやショップが多く、マカオの新しい情報発信の街となっています。
歴史的建造物の中でワークショップが行われていました。
きれいな街並みのため、結婚式の写真も撮影されていました。
このエリアからわずか数分歩くと、セナド広場の中心部に至ります、街は観光客であふれ、相変わらず人気の観光スポットに至る道路は大混雑です。
午後の観光を終えて、ホテルのある島部のコタイ地区に戻るのですが、半島部のランドマークである巨大な蓮の花を模したホテル、グランド・リスボア・マカオの周辺はタクシーを待つ客で大混雑です。いくら待っても乗れそうにありません。やむを得ず、路線バス乗り場へ。案内所でヴェネツィアンへ行くバスを聞きますが、要領を得ない様子です。(この辺りの写真は混雑がひど過ぎて、時間の余裕もなく、撮れませんでした。)
仕方なしに、路線バスの路線図を見てホテルの近くに行きそうなバスに乗りました。やがてホテルの大きな建物が見えてきたところでバスを降りました。バスはかなり安いです。ほとんど観光客は利用しないのでしょう。マカオのタクシー事情はかなり厳しいことを頭に入れておく必要があります。
一方大規模ホテルの施設にはかなりの投資が行われています。最新のホテルの部屋は全室がスイートルーム・クラスです。
ヴェネツィアン・マカオ・リゾートは全3000室、全室70㎡以上のスイートルームの巨大ホテルです。
L3には、グランド・カナル・ショップスは巨大なショッピング・センターです。ヴェネツィアの街並みを再現し、建物の中に運河があります。橋の上ではカンツォーネを歌うイタリア人がいたり、ヴェネツィアらしさを表現していますが、どこかお台場のヴィーナス・フォートのようでもあり、嘘っぽい感じが何となく安っぽくも思えます。中心部には1000席もある巨大なフードコートもあります。
それよりも本物のカジノの方がおもしろそうでした。これも規模が違います。コンベンションホールのようなフロアに様々なカジノ施設が配置されていて、24時間営業しています。朝食を食べに行った時も徹夜明けのような人がカジノのフードコートで軽食を取っていました。
2014年にはマカオ半島とタイパを結ぶLRTが開通する予定だそうですが、それまで急激に増加した島部のホテルに宿泊する観光客と半島の中心部を結ぶ交通機関の輸送能力が追い付いていないようです。これは観光地に関しても同様で、大量の観光客が半島の中心部を訪れるため、休日には観光地は大混雑となっています。
大規模ホテルの建設ラッシュで客室数の増加に対して、インフラとともに人材も追いついていないようです。タクシーが圧倒的に不足しているうえに、サービスレベルが低く、料金を胡麻化したり、意図的に遠回りをしたりする悪質な運転手も多いようです。
マカオにこれから旅行される方は、予め、休日は避けるなど良く研究されてから、行かれることをお勧めいたします。