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1115日~16日の2日間に渡り ザ・プリンス・パークタワー東京でヴィネクスポ東京VINEXPO TOKYOが開催されました。 

地下の宴会場のホールはコンベンションホールろボールルームの2つのエリアに分かれ、周囲の小さい部屋がセミナー会場となっていました。

その一つボールルームの入り口側に近いエリアはフランスワインで、その半分近くがフランス食品振興会(Sopexa )のブースで、フランス全土のワインが出展されています。

南西地方やロワールのもの、ほかにビオロジックの生産者のものなどが目につきましたが、ブルゴーニュやアルザスはほとんど見かけませんでした。 

その奥にイタリアのワイン情報誌、ガンベラロッソで最優秀のトレビッキオリ(三ツ星ならぬ三ツ海老)を獲得した優秀ワインの生産者の会場。これだけ全体の約半分のスペースを占めています。インポーターごとの出展は非常にわかりにくいうえに、パンフレットは原語表示です。AVA: ロングアイランド(ハンプトン)

この会場でマルチェッロ・ザッガニーニの単一畑、モンテプルチアーノ・クロニコンが秀逸でした。アブルッツオのエレガントなワイン、手ごろな価格(2000円台)も魅力的です。 dsc01373 dsc01374

 他のイタリアワインはもう一つの主会場であるコンベンションホールに出展されていましたが、会場が分断されていたこともあって、いまひとつ存在感がありませんでした。 

一般ワインのメイン会場であるコンベンションホールは世界のワイン界のトレンドが感じられました。特に目立ったのが、ギリシャとポルトガルのブースです。国名が大きく掲示され、国としてワインの輸出に力を入れているのがわかります。dsc01343

 特に今年はギリシャが素晴らしかったです。この国の代表的品種を選抜、集中的にマーケティング活動を行っていなす。dsc01342

 白ワインはサバティアーノとアシルティコ、赤はアギョルリティコとクシノマヴロ。それぞれ10本以上テイスティングアイテムをそろえ、しかもステンレス熟成、樽熟成、熟成感のあるヴィンテージものなど様々なタイプを用意しています。これらの品種は生産者によって変化が面白いので、ワイン愛好家としても興味深い品種です。特に白ワイン品種は、程よいフレッシュな酸と果実味、塩味やコク、苦みなどバランスが良く、新鮮な素材を生かした日本料理との相性も良いでしょう。dsc01344

赤ワインはアギョルギティコがスパイシーで、凝縮感のあるものが多く、クシノマヴロは、テクスチュアはきめ細かいですが、タンニンはかなり緻密で豊富、エレガントです。白ワインのバランス良い味わいやスパイシーな赤ワインなど、意外にオーストリアワインと共通点があります。まだ、インポーターが決まっていないものが多く、質の高さから見てギリシャは注目すべき産地です。 

ドイツワインではジェネレーション・リースリングのコーナーが注目です。10年前にドイツ・ワインインスティトゥート(DWI)が立ち上げた35歳以下の若手醸造家団体ですが、メンバーが現在約500名となったそうです。dsc01346

5月に香港で開催されたVINEXPO Hong Kongでは揃いのTシャツを着たイケメン・ワインメーカーが話題になりましたが、今回は残念ながら参加はありませんでした。日本のマーケットの規模の小さいのが原因ではなく、出展決定が遅くて緻密な計画を要求するドイツ人国民性から、準備が間に合わなかったとのことです。(3日間にわたって開催されたVINEXPO Hong Kongの方が、はるかに規模が大きかったのは事実です。今やアジアの中心は残念ながら香港です。)dsc01347

 一部期待していた女性ワイン愛好家の落胆はありましたが、ワインはかなりレベルが髙いものでした。ファルツやラインヘッセンが中心で、これらの地域で若手の意欲的な生産者が多いように思われます。モーゼルは1本、ラインガウは0でした。特に、VDPの高価格路線に対抗したということもあるのか、現地で5ユーロ前後の低価格で、コストパフォーマンスの優れたものが目立ちました。全般にドライでエレガントな味わい、ほとんどがリースリングとシュペートブルグンダーで、話題のヴァイスブルグンダーやグラウ・ブルグンダーも少数でしたがありました。

FREY。2014のリースリング。なんと3.45ユーロだが、かなりうまい。この価格帯の従来のドイツのリースリングのイメージとは異なり、かなり辛口で味わいはしっかりとしています。VENEXPOでは人気ったdsc01348

ラインヘッセンのWEINREICHのシュペートブルグンダー。なんと4.5ユーロ。冷涼な味わいながら旨味があります。dsc01350こちらはファルツのシュペートブルグンダーKREBS。これ24ユーロするだけあって、かなり複雑性があります。dsc01349

アールのシュペートブルグンダーは冷涼な味わいですが、酸味は意外に柔らかく、幅広い料理に合いそうです。dsc01351

インポーターは決まっていなとのことで、ジェネレーション・リースリングの生産者は、新興インポーターにとっては宝の山です。 従来のドイツワインのイメージを変えるような、ドライで洗練されているワイン、生産者が来ていないので、商談は行えませんでしたが、日本で販売すれば売れるのは間違いないでしょう。VDPをはじめとする、既存勢力との取引関係のあるインポーターが新規に手掛けるの難しいようですが、若手ベンチャーのインポーターには最適な生産者たちです。

アメリカではニューヨーク州が今回は力が入っていました。後藤さんが頑張っていらっしゃいました。それもナイアガラ方面の北の方ではなくて、AVA:ロングアイランド(ハンプトン)のWölffer Estate(ウォルファー・エステート)、ニューヨーカーの避暑地として有名な「ハンプトン」です。

樽は軽く使い、ブルゴーニュスタイルながらエレガントでリッチな味わい、酸味も豊かで質が高く面白かったです。dsc01352ポルトガルも前回に続いて存在感がありました。今注目の生産地アレンテージョの若手生産者が来日。トゥリガ・ナショナルなどの地場品種を始め、幅広い品種を手掛けています。日本に似た雨の多い気候で、赤ワインはスパイシーながらしっとりしたワインが多いようです。dsc01345

 モルドバワインも注目です。世界最古のワイン生産地域の一つです。フェテアスカ・レガーラという品種の白ワインはフレッシュな酸味と果実味のバランスが良いです。フェテアスカ・ネアルラという赤ワインもあります。国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなども造られていますが、土着品種鵜に注目。かなり洗練されています。dsc01353 dsc01354

 

 2日目の16日は、午前中に開かれたソムリエ・インターナショナル誌主催、日本ソムリエ協会協力の100人のソムリエによるグランドテイスティング会に参加しました。 dsc01361

田崎真也会長のほか、今年、アルゼンチン・メンドーサで開催された第15A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール優勝者のジョン・アルヴィッド・ローゼングレンJon Arvid Rosengren氏(スゥエーデン)前回の東京大会の優勝者パオロ・バッソPaolo Basso氏(スイス)などソムリエ界の著名ゲストが登場し、会場を回っていました。dsc01363

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テイスティングアイテムは15アイテム以上、シャンパーニュのほか、南ローヌやランドックのワインが多かったです。dsc01371

酸がほどほどあって、エレガントなワインが多く、アルコール度数も13%台と控えめで、かつてのロバートパーカーが絶賛して、世に広まった南仏ワインとはかなりイメージが異なります。世界的なワインの潮流に沿ったワインに時代の流れが感じられました。どのワインも質の高いものでした。

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