札幌ガストロノミーシリーズ番外編。5月3日夜に訪れたのは、ススキノにある海鮮居酒屋、魚まさ すすきのF45店です。ちょっと高級なこの店、昨年9月に世界料理学会で函館を訪れた際に、五稜郭の本店で新鮮な魚介をいただきました。
札幌にも進出しているということで、今回はこの店に伺いました。全席個室で落ち着いた雰囲気です。スタッフはたぶん大学生のバイトでしょう。接客には慣れていない様子、ちょっと頼りなかったですが、一生賢命頑張っているのがわかります。
この店の名物、活イカの刺身、この季節はヤリイカです。生きた現物を見せてくれます。ちょっと元気がなさそうでした。しかし、刺身は透明感のある味わいとコリコリした食感。
刺身は松川ガレイの刺身とサクラマスの炙りを注文、両社とも秀逸です。
松川ガレイは絶品です。透明感がありながら、しっかりした歯ごたえと、脂の甘さを感じる繊細な味わい。フランス料理でも使えそうですが、あまり見かけません。明らかにノドグロ(アカムツ)、キンキなどと並ぶ最高の白身魚ですが、刺身ではこれが最高かもしれません。
サクラマスは炙りにより旨味が封じ込められ、脂の乗ったしっかりしたジューシーな薄紅色の身の食感が楽しめました。フランス料理店で出るサクラマスよりも素材のレベルが高いのは、素材が新鮮だからなのでしょうか。
北海道産貝の刺身の3店盛り、ホタテ、ホッキ、ツブの刺身。帆立の縦方向の繊維の甘い味わいは生のものでしか感じられないのですが、こちらのものは伊達産の肉厚なホタテ。鮮度が違います。
グリーン・アスパラのてんぷらは春の味。フレンチ素材としてもいいけれど、てんぷらも素材のもつ甘くてグリーンでジューシーな食感が味わえます。北海道の旬はこれから。楽しみです。
函館男爵黒豚手作りぎょうざ。当店名物、ジューシーな肉汁が楽しめます。
生ホッケからつくった自家製ほっけの一夜干し。完成度の高い一夜干しは焼き具合も最高です。
日本酒は北海道産の十一州純吟、福島・会津の飛露喜、山形の十四代本丸をいただきました。このなかでは飛露喜がコクとミネラル感のバランスが良く、最高でした。
この店、居酒屋としては、素材へのこだわりと調理レベルの高さが光ります。サービスにはあまり期待できませんが、個室でゆっくりできるので、価格は少し高いですが、おすすめの店です。特に、北海道産の産の希少魚介の刺身は外せません。