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偕楽園と水戸市の中心市街地を歩く

 

水戸偕楽園

品川駅から特急ひたちで水戸の偕楽園へ。上野東京ラインの開通により、品川駅は茨城県への出発地点になりました。今まで、訪れる機会が少なかった茨城県ですが、昨年の石岡のお祭りに続いて水戸を訪れました。

3月中旬に入っていますが、水戸偕楽園では梅まつり開催中で、まさに見頃です。偕楽園の臨時駅ができて、梅まつり期間中の土日は下り列車が臨時停車します。特急も臨時停車、ひたち号はなんと上野の次の停車駅が偕楽園駅です。特急は満席でしたが、かなりの乗客が偕楽園駅で下車しました。

改札口では駅員に切符を渡すと精算券をもらうことができ、これで水戸駅まで行くことができます。偕楽園では来年から県外の人に限って入場料を徴収するとのこと。財源ができて、施設が整備されるのであれば結構なことです。

臨時駅から常盤神社の鳥居をくぐって階段上っていくと左側に東門があります。途中には梅まつりということで、露店が並んでいます。

この門を入ると直ちに梅林の中に入ります。

白梅、紅梅の様々な種類の梅が混在して植えられていて、ほとんどの梅が見ごろを迎えています。ただ、梅の木の種類は掲示されているのですが、解説がないので、ストーリーが感じられません。外国語表示もないためか、インバウンド客もほとんどいません。東京の小石川後楽園が外国人観光客であふれていたのとは対照的です。回遊式庭園ではあるはのですが、千波湖が離れているため、他の日本庭園のような独特の情緒がないところも原因かもしれません。



 多くの観光客が散策する美しい梅林ですが、梅の花だけでなくどう見せるかが課題でしょう。夜のライトアップもしているとのことで、こちらが面白いかもしれません。来年から徴収する入場料を財源として、何らかの魅力アップ策が必要と感じました。

好文亭
水戸偕楽園の中にある徳川斉昭が建てた建物です。戦災にあい再建されています。ここは有料のため、チケット売り場からかなりの行列ができていて、建物の中でも混雑しています。木造2層3階建てで、階段はかなり急です。3回からの眺望がすばらしく、特に千波湖方面が開けていて、美しい眺めです。桜の頃はさらに良いでしょう。表門から好文亭方面へは孟宗竹の竹林や杉林が鬱蒼としていて、梅林とは違った趣があります。陰と陽の哲学的な世界観が映し出されています。



好文亭は待ち時間が長く、流れも遅いのですが、3階からの眺めは素晴らしく、何度も訪れたくなります。

蒲焼割烹 水戸 ぬりや
偕楽園の正門から歩いて中心市街地にある鰻店です。この店、鰻は一つ一つオーダーを受けてからさばくので、注文後、鰻が出るまで40分程度かかります。梅まつり期間中ということもあって、すでに先客が数組が待っていて、料理が出るまで1時間から1時間半かかるということでした。携帯呼び出しがあるというので、近くの京成百貨店名で時間をつぶしていると、30分程度で呼び出しがありました。席に案内されてからも、かなり時間があると思われたので、お酒を飲んで待つことに。

肴は何かないかと尋ねると、お通しをすすめられました。お通しだけでもつのかとも思いましたが、とりあえずお通しを注文。500円とお通しとしてはちょっと高めです。日本酒も大で1000円。小が500円なので時間もあるので大を常温で注文しました。一品で足りないかとも思ましたが、常温の地酒を飲んで待っていると、運ばれてきたのが煮たニシ貝。蒸アワビのような旨味が凝縮したニシ貝が絶品です。徳利になみなみ注がれたお酒は2合はあるかと思われます。これで終わりと思っていたら、いくらおろしと板わさが後から供され。およそ30分の間の酒肴としても十分な量です。

それぞれの酒肴は、蕎麦屋の名店の蕎麦前のようなレベル。鰻が出されるまでの30分間。ゆったりとお座敷で楽しませていただきました。

ほかのお酒を頼まない多くの客はスマホをいじったりしながら待っているようでしたが、+1000円で満ち足りた時間を過ごせます。ぬりやの鰻前のお酒、絶対おすすめです。

良い気分なってきたところで、鰻が登場。鰻はソフトできめ細かいテクスチャ。ふっくらと軽やかだが味は濃厚で、エレガントな味わいの鰻は、関東風の鰻としては最高レベルです。

山椒も香りが強く味わいはソフト。少量で十分です。特質すべきは肝吸い。お椀として鰹と昆布の素材が普通ではないレベルです。ミシュラン星付き割烹レベルの風味と旨味が凝縮したバランスのよい出汁で、肝の味わいを忘れるくらいインパクトのある味わいでした。

泉町界隈
ぬりやや京成百貨店のある泉町は水戸市の商業の中心地でしょう。京成百貨店の並びにはあんこう鍋などの郷土料理の老舗山翠もあり、歴史的な商業建築の老舗も並ぶなど良い雰囲気です。
京成百貨店は角が3階から上がガラス張りの吹き抜けとなっていて、角にるカフェが都会的でおしゃれです。実はこの京成百貨店、通りの反対側にあったのですが、現在地にあった老舗百貨店の伊勢甚のあとに移転して建てられたとのことで、昨年9月に駅前の丸井が閉店した後、水戸市では唯一の百貨店となっています。店内は昔ながらの伝統的なオーソドックスな百貨店で、わかりやすい売り場配置となっています。市内の大規模店としては独り勝ちといったところでしょうか。

この通りから西に入ったところにある水戸芸術館。らせん状のシンボルタワーが関東のローカルニュースなどでも登場する水戸市のシンボルです。中規模の音楽ホールがあります。タワーに登れると近くの人から話を聞いて、早速登ってみました。潜水艦のような丸窓から市内を一望でき、結構面白いです。入場料は200円ですが、好文亭のチケットの半券があれば入場できます。


この日、ギャラリーではワークショップイベントが開催されていました。水戸のアートレベルの高さを感じます。

この界隈、京成百貨店の跡地を中心に再開発が計画され、大規模なホールが建設される予定で、アートの拠点としてさらmにちょっと面白くなりそうです。

南町
泉町の東側から水戸駅までが南町というアーケードのある商店街です。こちらはかなり商店がまばらです。

商店街には老舗と思われる店もあり、歴史を感じるのですが、人通りは少ないです。

水戸市の中心市街地の最大の問題は県庁や弘道館のある水戸駅周辺のエリアと、京成百貨店や水戸芸術館のある泉町との距離にあります。この間を商店街の魅力あるコンテンツで埋め尽くすのは水戸市の現状からみてかなり困難でしょう。中心市街地は拡散しすぎということでしょうか。水戸駅から京成百貨店、偕楽園までが距離が2キロ弱、歩いて20分余り。中心市街地に空き店舗や駐車場などの低利用地が増えています。芸術館と京成との間の再開発は朗報ですが、まだまだ空き地が多すぎです。
しかし、北関東の県庁所在市としては前橋市に比べると人通りもまだまだあるし、店舗もかなり健在で、まだまだ再生の余地ありと思えます。

弘道館
江戸末期に建てられた水戸藩の藩校であり、歴史的教育機関として地域の人材に対する歴史がうかがえる建築物です。偕楽園をセットとして建築されたもので、こちらも梅の名所です。ただ、こちらも情報などのサービスが少なく、観光地としては魅力に欠けます。インバウンドを重視していないのか、予算が少ないのか、もう少し努力が必要と思われます。梅のシーズンですので。かなり観光客も来ていますし、ライトアップも行われているようです。




駅前地区
駅前について考えると、駅前の丸井の撤退した後、現況は駅ビル・エクセルの一人勝ちとなっています。丸井の後継テナントはどうなるのでしょうか。所有権が譲渡された商業施設コンサル会社「やまき」のデベロッパーとしての力が試されます。入居するテナントがどの程度のものになるのか心配されるところです。



 

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