かつて日本のどこにでもあった、隣近所が助け合いながら、生活していく街を再現した「シェア金沢」、多世代共生型のコミュニティを創り上げるための様々なノウハウが生かされている街です。
本館には露天風呂もある天然温泉と無国籍レストランの「ニューももや」。地場野菜の販売コーナー、ギャラリー、配食サービス、高齢者のデイサービス、生活介護、訪問介護なども行われます。
エリア内の周回道路は市道に認定されているため、市の管理で施設の負担はありません。
一番奥にはアルパカ牧場とドッグラン、農園があり、来訪者は建物の間の小道を通って行く構造になっています。曲がりくねった小径は住宅のバルコニーに面しているため、見守りがなされています。
MIDTOWN地区にはサービス付き齢者向け住宅と学生向け住宅、障害を持つ児童の入所施設あります。サービス付き齢者向け住宅には共有リビング・キッチンがあり、語らいの場となっています。低家賃で入居できる学生には、施設内でのボランティア参加が義務付けられています。NORTH地区は、キッチンスタジオ、ウクレレ教室、タイ古式マッサージ、パブリッシュ・バー、共同売店など魅力ある商店街です。
EAST地区には全天候型グラウンド「S-Stadium」ではフットサルができます。学童保育、放課後デイサービス、クリーニング&コインランドリーの「おしゃれ洗科ハンドプラス」など。
アルパカのかわいい赤ちゃんはもうすぐデビューです。「NPO法人ガイア自然学校」は学童保育・アウトドア活動に携わります。アトリエ付き学生向け住宅では金沢美大生が創作活動をしています。
子供から、大学生、高齢者まで多様な人々が共に暮らし、ともに助け合いながら、仕事や余暇活動などを行い、快適で生きがいのあるライフスタイルを実現するための様々な仕組みがこの街にはあります。福祉施設でもありながら、従来の施設のようなクローズなものではなく、外部の人が何度も訪れたくなるような魅力のある街です。これからの地方創生を進めるうえで、まちづくりの参考となることでしょう。
この街には運営主体である社会福祉法人佛生園がこれまでに取り組んできた施設運営の蓄積が生かされています。全国から相談が来ているようですが、このような街が全国でできることを期待したいと思います。