アルバからアルプスへ
9月のイタリア旅行3日目(9月20日)。この日は、大変な旅行をしなければならない。
アルバ郊外のトレイゾのラ・チャウ・デル・トルナヴェントからフランス国境のモンブランの麓、クールマイヨールまでの旅行である。
3つの列車と1つのバスを乗り継いで行く、以下の日程である。
アルバ発 10時8分CAVALLERMAGGIORE 行きsfmB4023
ブラ着 10時30分
ブラ発 10時35分sfm4 4348 TORINO STURA 行き(始発)
トリノ ポルタ・スーサTORINO PORTA SUSA着 11時27分
トリノ ポルタ・スーサ発 11時37分 R24817 IVREA)行き
イヴレアIVREA着 12時29分
イヴレア発 12時35分 R10085 AOSTA行き
アオスタAOSTA着 13時31分
アオスタ発 15時45分 クールマイヨール行き バス
クールマイヨール着 16時45分
ピエモンテ州南部のワイン産地アルバ近郊から、フランスと国境を接するヴァレ・ダオスタ州の北部の町クールマイヨールまで行かなければならため、こんな日程になった。列車を3回乗り換え、さらにバスに乗っていかなければならない。決して旅行者に親切ではないイタリアの交通機関の乗り継ぎの旅はリスクを伴う。
このようなことになったのは、①ラ・チャウ・デル・トルナヴェントLa Ciau Del Tornaventoでのディナー、②モンブランに天候が比較的良い午前中に行くこと、③チンクェ・テッレに半日以上滞在すること。この3つの条件を満足しなければならなかったからだ。このため、トリノ滞在時間が大幅に犠牲になった。
まずはタクシーでアルバの駅へ。20分ちょっと。駅は決して大きくはないが、カフェ併設の駐車場ビルが隣にあり、地方都市としてはまあまあの規模。
アスティとブラの間に位置し、まさにピエモンテのワインの中心である。これから乗るのはsfmBというトリノ近郊のピエモンテ州の都市路線の一つ。10時8分発のCAVALLERMAGGIORE 行きに乗り、2日目に訪れたブラで降りる。車内放送はなく、もちろん車内の電光表示もないため、時計と到着駅の駅名を常に見ていなければならない。ブラは前日に降りているので外の様子から到着がわかった。
ここで、sfm4という路線の TORINO STURA (11.37) 行きの始発に乗り換え、
トリノ ポルタ・スーサTORINO PORTA SUSAで降りる。トリノで2番目に大きい近代的な駅である。
ここで、IVREA 行きに乗り換える。途中駅で反対方向に動き出したので、どうしたのかとあわてたのだが、スイッチバックで目的地に向かっているのであった。こうしたことが、一々不安になる。
IVREA駅では、インターネット上の情報は同じホームでの乗り換えとなっていた。同じホームで待っていても列車は来ない。着いたホームの前方にほとんどの客が歩いて行くので、あとをついて行くと、先の方に別の列車が止まっていた。これがアオスタAOSTA行きだった。ここから非電化区間となるので、ディーゼル車両に乗り換えなければならないのだ。急に、両側に高い山が迫り、谷あいの中を列車が進み、1時間弱でヴァレ・ダオスタ州の州都アオスタに着いた。
スーツケースは再度宿泊することとなるトリノのホテルに前日そのまま預け、2泊3日の荷物をもって出たのだが、バローロとバルバレスコのワイナリーでワインを購入したため、かなりの重さになってしじまった。コインロッカーや荷物預かり所はない。やむを得ず重い荷物を持って市内観光へ。
ヴァレ・ダオスタ州の州都アオスタは小さな町だ。駅から半径500メートル以内に観光スポットがある。ローマ時代の遺跡が街中にある。
そんな街だが観光客でいっぱいである。9月下旬だが結構気温は高く、夏の服装の人もいるが、一方でダウンジャケットの人もいる。街の中にはフランス語の看板やフランス語を話す人も見かけられ、フランス文化の影響が濃厚である。
市庁舎前の広場。カフェやジェラードの店があり、人々でにぎわっている。市庁舎にはHotel de Villeの記述がある。街の中にもフランス語の記述が見受けられ、フランス語を話す人も多いなどフランス文化圏の色濃いエリアである。
再びローマ時代の橋へ。新車の展示会をしていた。人々が住む建物も石で造られ、遺跡の橋とつながっているように見え、遺跡も生活の一部になっているようである。
アオスタの街からはアルプスが良く見える。駅の横のバスターミナルへ。この周りにもローマ時代と思われる遺跡の石垣があった。クールマイヨールへ
ここからさらにバスで1時間幾行くとモンブランのふもとの町、クール・マイヨールに着く。鉄道は隣の町PRÈ SAINT DIDIERまで行っているが、そこからバスに乗らなければならず、結局同じバスに乗ることになってしまうので、直行のバス便が良い。各集落の停留所に停まっていく地域の公共交通のバスで、観光客は少ない。幹線道路から集落の中心の停留所まで迂回していく。アオスタに多く来ていた観光客はほとんどがマイカーできていたのだろう。途中、両側の急な斜面にはワイン用のブドウ畑がみられる。アルプスの山並みが次第に近くに見えるようになり、35キロ程度の旅は、1時間ほどでクールマイヨールに着いた。