港北ニュータウン内のレストランの中で、たぶんここが一番だろう。化学調味料は不使用の中華料理店として、横浜市内でも貴重な店である。
特に、休日のランチにAランチとBランチを2人で組み合わせるのがおすすめである。
この日のAランチは豚バラ肉と根菜の梅肉煮込み、Bランチが車海老、帆立、文甲イカのチリソース、副菜にスズキのすり身の焼きはんぺん。
まず、スープのレベルが高い。干し海老と干し貝柱の両方の乾物を使った豪華な出汁。これくらい使えば、化学調味料なしでも十分に味わいは深くなる。
豚バラ肉は味付けが濃くしょっぱさがギリギリの許容範囲。豆鼓はしょっぱくなく、梅の塩がたぶん計算外だったと思える。豚は柔らかく煮込まれているが、脂に味わいがある。梅のフレッシュな酸味がしつこさを消して、爽やかな味わいとなっている。レンコン、ゴボウ、ダイコンの根菜類は素朴だが梅肉と絡んで味が深みを増す。
海鮮チリソース煮には、ソースにニンニク、ネギ、生姜などという定番の素材のほか、香辛料がかなり味わいを複雑にしていて、どこにでもある一般的な食材を使った定番料理でありながら、奥行きのある凝った味付けが料理の満足度を高めている。揚げたワンタンの皮もパリパリと食感が良い。
スズキのすり身の焼きはんぺんは、中華料理では珍しい料理。豆板醤が付いていたが、そままでも味はある。ただ、揚げた方が面白いと思うのだが。
サラダは醤油ドレッシングで新鮮だが、なぜいつも同じサラダが付くのか、野菜料理にもう一つ工夫がほしいところ。
デザートは2種類。温デザートはココア風味の蒸しカステラ。冷たいデザートはタピオカ入りココナツミルク。こちらは平均的な味だが、セットで2種出るのは良い。
ランチの定食で、手を抜かずにこのレベルの料理を出すということは、神奈川でトップレベルということで、全国でも上位に入る中華料理店であろう。ワインの種類が多いといいのだが。