代官山ヒルサイドフォーラムで今日から29日まで開催されている九谷焼錦山窯の展示会「Re -受け継がれる錦山窯の心髄-」のオープニングイベント −錦山窯 × plate tokyo−です。器とワインと料理のマリアージュ。伝統の九谷焼の技法の中に新しい表現が輝いています。plate鍋多シェフの料理と猪飼ソムリエールセレクトのワインのマリアージュを楽しみました。 日本の伝統工芸としての器はただ見るだけでなく、料理が盛られて初めてその器としての価値を発揮します。先日の世界料理学会in ARITAでも語られていましたが、器と料理のコラボレーションはもっと意識されて、様々な試みが行われても良いのではないかと思われます。そのことが、総合芸術・文化としての日本の食文化の高度化・普遍化にもつながるのではないでしょうか。
今回のイベントは器と料理に加えて、ワインとのペアリングを意識したところに新しさを感じました。世界に普遍する飲料であるワイン、料理と器の文化的な普遍性に通じるものがあります。
リムシリーズ、ウォーターアイ、水をモチーフとした波紋や渦を金と青で縁に描いた皿。皿の中の鮎が飛び跳ね、周囲に波紋が広がるイメージで、地鮎のフリット、花のピクルス、ハーブのソースとエストラゴンビネガーのジュレという料理。ニュージーランド、マールボロの爽やかなソーヴィニオン・ブラン。
リムシリーズ、ホワイトブレス。錦山窯の地元、白山の光をイメージした清々しい器。アオリイカ、コーン・ホワイトショコラ、卵黄のチップスとパルミジャーノと白を基調とした色合いのの料理にオーストラリアのヴィクトリア州マセドン、ちょっとふくよかなシャルドネ。
リムシリーズ、レッドアラベスクという赤と金の気品のある器には鴨のロースト、フォワグラのテリーヌ、シェリービネガーとルビーポートのソース。エディブルフラワーが華やかです。鴨に定番のピノ・ノワールはニュージーランド、マールボロのちょっとライトでエレガントな味わいです。
フォーリングフラワー、パステルカラーのようなテレピン叩きという技法を使ったアプリコット、ターコイズ、ココアの三色の美しい色合いに、薔薇、紫陽花、躑躅、木槿などの花が天から舞い落ちてくるようなエレガントな器。チョコレートのデザートに定番のポルトのようなオーストラリアの甘口赤ワイン。
最高の贅沢はワインクーラー、複雑な工程を経て創られた金や淡い色彩が複雑に織りなす鮮やかな作品です。
日本の伝統工芸としての器はただ見るだけでなく、料理が盛られて初めてその器としての価値を発揮します。先日の世界料理学会in ARITAでも語られていましたが、器と料理のマリアージュはもっと意識されて、様々な試みが行われても良いのではないかと思われます。そのことが、総合芸術・文化としての日本の食文化の高度化・普遍化にもつながるのではないでしょうか。
今回の器とワインと料理の三者が融合して、新たな価値を生み出すことを経験できたという意味で先導的であり、今後の更なる試みを期待させるイベントでした。
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