9月に行ったイタリア旅行の7日目、宿泊しているポンテ・ヴェッキオ橋に近いホテル・コンティネンターレContinentaleはいわゆるデザイナーズホテル。フェラガモが経営するだけあって、モダンスタイルのブティックホテルで、アート感覚にあふれている。
【時計のテーブル】
今日からトスカーナのワイナリー巡りに出かける。まず午前中はトスカーナのもう一つの古都、シエナの街を訪れた。
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からTreno Regionaleという各駅停車のローカル列車で1時間半ほど。
【フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅】
【シエナ行きのTreno Regionale】
朝食は付いていなかったので、駅のカフェでテイクアウトする。シエナの駅は中心部の旧市街は少し離れているうえに、北イタリアの古い都市に共通の丘の上に都市があるため、かなり登らなければならず、ガイドブックにはバス便を利用するように書いてある。
駅前のショッピングセンターの中のエスカレーターを登って、さらに通路を進むと小高い丘の上に出て、ここがシエナの旧市街の外れになる。
少し通りを進むと城壁の門があり、ここをくぐると旧市街の舗装道路に続く。まだ午前10時で早いがかなり人が出ている。
通りにある皮革職人の店ではかなり安く手作りの財布などの革製品が手に入った。
まずメディチ要塞へ。周辺は公園になっていて、ガーデニング関係の店などが並んでいる。
日本の城のように城壁で囲まれた広場のような要塞である。函館の五稜郭のイメージである。城郭の地下にあるENOTECA ITALIANA、イタリア中のワインを集めた試飲のできる施設とのことだが、開館は12時からということで残念だがパスする。
要塞の上からは市内が一望できる。
要塞の周りの公園では大規模なマーケットが開催されている。花木、食品、日用品、衣料、皮製品など何でもそろいそうな市で、大勢の市民や近隣の住民が車でやってきていて、大変な混雑。古都シエナの日常を見ることができた。
城塞の下の広場はバスターミナルになって観光客で混雑している。ここから旧市街の一番賑やかな通りに出る。
【カフェ-ケーキーデリカテッセン】
通りから階段を降りたところにシエナのシンボルであるカンポ広場がある。石張りの扇のようなかたちの広場で、傾斜がかなりある。毎年2回、パーリオという競馬が開かれるが、かなり狭いところでよく開催できるものと思われる。
【カンポ広場】
この広場の正面にあるのが、ゴシック様式のシエナの市庁舎のあるブッブリコ宮殿。
シエナの富の象徴である。このなかに市立美術館があり、ルネサンス初頭のシエナ派の作品を見ることができる。善政の効果、悪政の効果は行政に携わる者必見。シエナ派の至宝シモーネ・マルティーニの「グイード・リッチョ・ダ・フォリアーノの肖像」と「荘厳の聖母」は見逃せない。ここは撮影禁止である。
http://www.comune.siena.it/La-Citta/Cultura/Strutture-Museali/Museo-Civico
ここから少し離れたところにある大きな建築物がドゥオモ。
この付属美術館にもシエナ派の作品がある。大きな目のルネッサンス以前の中世的な聖母の絵を見ることができる。このフロアからさらに上の方に登っていくと、展望テラスに出る。
ここの階段はさほどきつくはないのでおすすめである。フィレンツェよりは少し褐色がかったシエナの建物や屋根が落ち着いた雰囲気の街である。 フィレンツェほどの広がりはないが、コンパクトにまとまった町は曇り空の中、しっとりとしていて、古都の良い雰囲気を出している。
昼食をとるため0再びにぎやかな中心街へ。
【スタチュー(彫像)の女性の大道芸人】ガイドに載っている有名店はどこも混雑しているので、ハイヤーの運転手と待ち合わせする予定のGrand Hotel Continental in Sienaのレストランでとることにした。
ほかに客はほとんどいなかったが、これがあたりだった。大時計のあるゆったりとクラシックな空間。さすが、シエナでは最高級5つ星ホテルのレストランだけのことはある。
アラカルトメニューからイワシのマリネとウサギ肉のラビオリをとってシェアしたがどちらも上品な味わい、イワシもほどよい塩加減で新鮮だった。