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板橋宿とハッピーロード大山商店街

埼京線板橋駅は23区内のJRの駅の中でもちょっと地味な駅でしょう。かつては赤羽線(今でも正式路線名称は赤羽線)という山手線の支線のような黄色い電車が走っていました。板橋区の名前を冠する駅ですが、位置はほとんど北区、豊島区との境界上で、板橋区の東のはずれにあります。東口(滝野川口)は北区に、ホームの大半は豊島区にあるそうです。DSC06257板橋駅西口(板橋口)広場から西に行くと、板橋駅西口商店会の商店街、商店や飲食店が並んでいますが、人通りは多くはありません。十条銀座に比べると静かです。DSC06262

エレガントなスペインワインでワイン愛好家の絶大な支持を得ている、通信販売でも有名なワイナリー和泉屋さんもこの一角にあります。DSC06282DSC06281

板橋駅の北側には旧中山道が通っていて、日本橋から中山道一番目の宿場町板橋の宿で、川越街道の起点にもなります。板橋宿は日本橋側から平尾宿(下宿)、仲宿、上宿の3つの宿場に分かれ、それぞれに名主が置かれていたようです。

板橋宿は板橋駅から商店街が続いています。平尾宿の商店街は国道17号線により大きく分断されています。板橋駅側は板橋駅前本通り商店街(振興組合)で平尾宿のフラッグが下がっていますが、二車線の車道の交通量もあり、ちょっと静かです。DSC06284

西側は板橋宿不動通り商店街(振興組合)でです。街路灯にはシンボルキャラクターのうさぎのラッピーのフラッグが下がり、都営三田線の板橋区役所駅にも近いこともあって、空き店舗もなく、かなりにぎわっています。Lapin(ラパン)と Happy(ハッピー)からつけられたもの。『ラッピー』の街路灯はあまり宿場町らしくないですが、LED街路灯だそうです。品川宿のようなものであれば雰囲気が出るのですが。DSC06290

道幅が程よい広さなのは、旧中山道時代のままなのでしょう。品川宿や千住宿も同じ道幅です。車も少ないので歩きやすいですが、自転車の通行が多いので注意を要します。DSC06291

銭湯やかつての茶店のような和菓子の店もあり、歴史を感じさせます。DSC06296DSC06294DSC06299不動通り商店街の中ほどにいたばし観光センターがあります。地域センターと同じ建物です。都会の観光地とは思えない板橋区の中に、区立の観光センターがあること自体すごいことだと思います。DSC06301

いたばし観光センターは「板橋区観光振興ビジョンに基づく観光振興策の一環として、板橋区内の多様な観光情報を集約し内外に発信する情報拠点の機能を担う事を目的とする施設」だそうで2005年(平成17年)4月23日オープンしたそうです。展示もあり、板橋の歴史の勉強にもなります。

ボランティアガイドの方(もしかしたら所長?)が丁寧に教えてくれました。ボランティアガイドの方が数十名いうとのことで、あらかじめ予約すれば無料で同行して街歩きのガイドもしてもらえるとのことです。

観光地ではガイドはかなり高額であり、都会でも有料で参加人員を集めて、ウォーキングイベントを開催している区や市が多いなかで、無料のガイドツアーはすごいです。ぜひ一度利用したいと思います。

板橋区の話を聞いた中で、このセンターからも近い板橋区の加賀1、2丁目、板橋3、4丁目一体は、加賀藩前田家の下屋敷があったところだそうです。 下屋敷の敷地は約22万坪で、金沢の兼六園の約7倍。広大な敷地の中には石神井川が流れ、築山や石、滝などが配され、藩主と家族が散策し、鷹狩りや園遊会も催されたそうです。DSC06298

そんな広大な土地の加賀下屋敷の面影は、今は殆んど残っておらず、住宅や公園になっています。わずかに加賀公園に残る築山の一部が残っているようです。この縁、板橋区は、平成20年7月に石川県金沢市と「友好交流都市協定」を締結しているとのことで、金沢百万石まつりに板橋区から参加しているとのこと。私も実は2日前まで金沢にいたので不思議な縁です。

さらに進むと、仲宿の商店街アーチが見えてきます。日本的なデザインです。ここまでが不動通り商店街で、この先は仲宿商店街(振興組合)になります。DSC06304DSC06308

商店街の入り口の角の鳥新の角を右に曲がって、旧加賀藩下屋敷の方向に進むことにしました。鳥新は単なる鶏肉店ではなく、卸に使うトラックが多数ありました。相当鶏肉業界では大きいのでしょう。惣菜も秘伝のたれの焼き鳥や鶏もも肉の照り焼きが美味しそう。鶏ももは270円、安くておいしいです。DSC06312

曲がりしばらく行って左に曲がってさらに進むと、板橋区立こども動物公園があります。うさぎなどの小動物やヤギと触れ合うことができます。このあたりも下屋敷の跡なのでしょう。DSC06309

再び仲宿商店街へ。この商店街は相当賑わっています。八百屋が多く、スーパーも複数あり、生鮮が競い合っていて激安です。お惣菜の店もあり、高齢化社会への対応も万全です。DSC06316 DSC06317

DSC06318途中、高野長英ゆかりの地もありましたが、この前のお医者さんは近いうちに閉院の告知が出ていました。後継者難でしょうか。DSC06334

やがて仲宿商店街の反対側のアーチが見えて、その先は石神井川にかかる板橋という橋です。板橋という地名の由来です。石神井川はかなり深く、緑が豊かです。DSC06320 DSC06325

ここから先は板橋本町商店街になります。自転車は多いですが、人通りが少なくなり、商店もまばらになります。大型スーパーがないことも原因でしょう。DSC06328

仲宿商店街を戻って、国道17号をわたって板橋区役所方面に向かいます。

板橋区役所前を通って高速の高架の下の通りは板橋四ツ又商店街。あまり店は見当たりませんが、街路にリサイクルのワインボトルを使ったガラスが使用されたレンガが敷き詰められているため、四ツ又ワインロードと言われているようです。DSC06341DSC06338

この商店街から山手通りを渡って、大山駅方面に伸びているのが遊座大山商店街(振興組合)です。商店街の中央には板橋区立文化会館があって、賑わっています。ここからハッピーロード大山の終点まで約1キロ、自動車を心配せずに(自転車は遊座大山は走っています)ゆっくりと買い物ができる日本では貴重な商店街です。商店街の山手通りにちかい富珍餃子のさかえ食品大山店は次から次へと客が訪れています。テイクアウト専門、10個入り340円という破格の値段、にんにくが香りジューシーでおいしいです。DSC06342DSC06343

DSC06384この商店街、飲食店が多いのが特色。大山駅に近くなると全国チェーンも多くなります。DSC06344DSC06346

東武東上線の踏切を渡ると、アーケードのあるハッピーロード大山商店街になります。武蔵小山、十条銀座と並ぶ東京三大全天蓋アーケード商店街(誰が名付けた?)です。DSC06349

東武東上線側の商店街は大混雑。自転車は厳しく乗り入れ規制していますが、これでは走ることは不可能です。左側のだるま市場は昨年全面リニューアルしていて、かなり雰囲気が変わっていました。奥の渡辺水産では大トロとセットの刺身が売れていました。甘エビと大トロとの700円のセットを買ったところ、甘エビが大きくて新鮮、冷凍ものではないのでしょうか。こちらは丸二青果です。DSC06354

スーパー「みらべる」も大混雑で、店頭には自転車がいっぱいです。DSC06357

期間限定のワインデイショップは空き店舗対策でしょう。一部厳しいのかもしれません。DSC06360

大山どりは「おおやまどり」ではありません。ダイセンの地鶏ですが、かなり売れているようです。DSC063617Day’sは1日から使用できる最近普及しつつある催事店舗ですが、大山ハッピーロードでも2店舗ありました。DSC06362

川越街道近くになるにつれて空き店舗が目立ちます。DSC06363 DSC06365 DSC06366

大山は補助第26号線(延焼遮断道路)が分断するとの計画。川越街道と東武東上線までは完成し、あとはハッピーロード大山商店街周辺の大山中央部分を残すだけとなっています。この道路ができれば商店街は壊滅するでしょう。人の流れが分断され、地域のコミュニティも失われる可能性が大きいです。防災にとって地域のコミュニティの存在が極めて大きいですので、大きな問題だと思われます。DSC06372

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昨年、計画の中止を求める地権者ら50人が国を相手に事業認可取り消しを求めて提訴しています。防災目的ということであれば、コミュニティや商店街の賑わいを温存しながら、道路以外の他の手段によって、同じ目的を達成することも可能ではないかと思われます。DSC06371

今でも、駅から遠い一角は、川越街道まで完成した補助第26号線に向けて人の流れが変わったためか、空き店舗が生まれつつあるようです。

 

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