日本を代表する中華料理店、中国飯店の旗艦店は麻布十番の駅に近い東麻布の富麗華。間口は狭いので見過ごしそうになるが、内部はかなりの広さがある。

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平日のランチに訪れるが、1階のホールは禁煙だが満席で、喫煙席はあるが喫煙者はいないとのことである。良く意味は分からなかったが、了解して案内してもらうと、ワイングラスの並ぶバーカウンターを右側に曲がった奥が喫煙席だったが、客は誰もいなかった。少しタバコの匂いが漂う。壁には彫刻がある落ち着いた室内のソファ掛けのゆったりした席で、ホールの席よりは落ち着けるが、ホールで演奏される中国楽器の音色は聞こえてこない。

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平日のメニューは2000円の麺料理の入ったセットメニューもあるが、お勧めは2500円のお手軽なミニコース。6品が付く。北京ダックの軽いものがプラス1200円で付けることができるということだったが、まずはコースを試してみることにした。

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ワインはグラスの白を。2人でアルザスのゲヴェルツトラミネールとナパのシャルドネを注文する。ゲヴェルツは甘めの深い味わい。中華の甘い料理には肉料理を含めて最高に合う。ナパのシャルドネは酸もあり、樽香はやや抑え気味でボリューム感があり、これも中華に合うし、かなりこれは安くゲヴェルツの半額である。両方とも120CCほどあって、ランチではこれだけでも十分だ。

まず、最初の焼き物の前菜は叉焼。これが見事。豚肉は脂がほとんどなくしっかりした繊維質のシコシコした食感が味わえる。肉にほんのり八角の風味と表面に塗られた蜂蜜の甘さが良く溶け込む。付け合わせはインゲン。

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二品目は点心三種盛り合わせ。大根餅、よもぎ餃子、海老餃子。よもぎ餃子の凝縮感のあるよもぎの香りに白身魚が少し添えられ、味わいが素晴らしい。大根もちはねっとり少し甘く、干海老が香ばしい。海老餃子はベーシックな料理だが、丸ごと一匹の海老のプリプリ感と甘さに技術の高さがうかがえる。

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スープは白身魚と椎茸のスープ、香菜風味。溶き卵のように見えるのが実は細かくほぐした白身魚。細かくカットされた椎茸の深い出汁が抽出されて、鶏ベースのスープに深みが加わる。やや甘いながらも濃厚な味わい。

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メインは豚トロとズッキーニの香ばしい炒め。ちょっと苦みのあるズッキーニにパプリカ、豚トロはトロのイメージと異なり、脂がなく筋肉質だが、これもシコシコとした繊維の食感と肉の味わいが深い。やや冷めていたのは少量のためか。メインとしてはかなり量が少ない。

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ご飯は杏子と空豆の海鮮入りチャーハン。これはこの日の最高レベルの料理である。海老と炒めネギの香ばしいさに空豆の香りと食感が加わり、ほんのり甘酸っぱい杏子が下の方から顔を出す。油のべとついたところは全くなく、ご飯と具材の深い味わいが最後まで持続する。

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デザートはタピオカ入りココナッツミルク。濃厚ではあるが、これはやや普通。

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お茶はろうそくで最後まで保温される。

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これだけのコースだが1時間半。ゆっくりランチを楽しめる。中国飯店の他の一部の店と異なり、平日のランチとはいえども手抜きは全くなく、料理、雰囲気、サービス、ワインとも最高水準で、王道を行くクラシックな中華として、日本では最高レベルだろう。量も適度な配分で、ランチとしては重くない。ミシュラン二つ星も納得。ホールでは中国の打弦楽器、楊琴の演奏も楽しめる。

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