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ソラノイロ2号店

平河町のラーメンの名店、ソラノイロが新たに12月8日に2号店をオープンした。1号店と新宿通りを挟んで反対側の二番町に近い日テレ通りから少し脇に入ったビルの1階、地階には中華料理店が入っているビルである。メニューは本店とすべて異なり、競合を避けた感じだ。

①特製塩煮干しソバ

オープン間もない日、行列はビルの入り口付近と店内の席で10人くらい。10分くらいで着席できた。

水はセルフサービス(現在はサ-ビスしている)で、水玉模様のプラスチックコップはどこか琉球ガラスを思わせる。

塩煮干しソバが看板メニューで、これにキノコベジソバと肉ソバがメインのようである。特製塩煮干しソバを注文する。

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具材は薄切りのロースチャーシュー2枚、トロトロ軟骨ソーキ、味付け玉子ハーフ2個、蒲鉾。麩。アオサ(アーサー)、青ネギ。テーブルにはフリーの青ネギ。

麺は平打ちのウェーブしている麺。弾力性のある生き生きとした食感が麺好きにはたまらない。どこか沖縄ソバのような食感がある。ランチタイムは無料で「中盛」にできるが、「普通」が上品な量でちょうど良い。

濃厚で深い味わいの出汁は最高級の香川県伊吹島産のイリコ(片口イワシ)を使用しているとのことだが、いわゆる煮干しラーメンのような生臭さはなく上品なうま味があり、味わいが柔らかいが、ちょっとアクセントが不足するので、辛味を入れた方が良いだろう。

「特製」は沖縄色の強い具材で、アオサの磯の香りが塩ラーメンに良く合う。ソーキはとろとろと醤油で煮込まれていて、しっかりした味の軟骨の食感がコリコリして面白い。

チャーシューはロース肉が薄くスライスされている。肉ソバで使われているものだろう。

味玉はうま味たっぷりの出汁醤油で煮込まれていて、黄身がソフトでボリューム感のある凝縮した味である。

本店と異なるメニューの完成度は高く、店が近いので、2店合わせてメニューのバラエティが広がったといえよう。

A

②キノコベジソバDSC00003

灰褐色の平打ち麺は一見日本蕎麦のようだが、椎茸パウダーが5%練り込まれているということで、香りがあるとともに、加水率は低めでかなりコシがあり、弾力性が強い。汁は良く絡む。

具材はルッコラ、パプリカ、シメジ、エリンギのスライス。キノコの香りは強い。肉はチキンの胸肉と豚の生ハムでいずれも薄くスライスされている。脂が少なく上品な味である。

汁は少なめ。ジャガイモ、マッシュルームなどの野菜のすりおろしが入っているため、少しざらついているが生クリーム入っているためクリーミーではある。ややポタージュ系の西欧風のスープ。本店のベジソバのスープに似ている。鶏出汁で甘さがあり、キノコの旨味に枯れた味わいがあるものの、柔らかく拡散的な味である。

かなり造り込まれていて、上品で健康的な麺だが、ストラクチュアがしっかりしている麺と対照的な柔らかいスープは、ラーメン全体として、多少バランスを欠く。これは本店のベジソバでも言えることだが、敢えてこのようなパスタのような取り合わせにしているのだろう。

B+

③肉ソバ

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スープの色がかなり濃い。スープを油の芳醇な香りと共に塩気が感じられるが、中盤からチャーシューの煮汁のうま味とともに引き締まった醤油の深い味わいが感じられるようになる。一方、出汁のうま味と控えめな甘さに塩気はすっと感じられなくなり、優しくエレガントな味わいの余韻が残る。

京都の新福菜館のラーメンにも似ているが、脂の抽出が少なめでピュアなスープになっている。

麺は中細のストレートで京都産、ソラノイロとしては加水率が少なめだが、標準レベルだろう。

具材の肉は薄く機械でスライスしたものと、煮チャーシューのぶつ切りがのっている。柔らかく繊細な食感と味わいで、スープと良く馴染む。肉のボリュームが少なめなのも、麺とのバランスがとれていて評価できる。

九条ネギがキレのある味わいで、テーブルにかけ放題で用意されている。

A

④ゆず塩煮干しソバ DSC00087

極寒のこの日は、幸いにも行列がなく待たずに着席できた。この店の看板メニューの一つがゆず塩煮干しそば。塩煮干しソバにゆずが入ったものだが、その場で削る柚子の新鮮な香りがいきなり爽やかに感じられる。

麺とスープは特製塩煮干しそばと同じだが、チャーシューは普通の厚さのしっかりした脂のバランスが良いジューシーな肉質のものが3切れトッピングされていた。塩煮干しそばと同じものだろう。存在感のあるチャーシューが、あっさり系のそばにはバランスが良い。

890円とシンプルな具材の割にはかなり高価だが、ランチタイムは中盛りも可能なので、体調に合わせて調節するのも良いだろう。

Aー

⑤総評

ソラノイロ2号店は麺、スープとも全く異なる3種類のそばを揃え、それぞれの完成度が高い。季節限定のある本店と合わせると合計6種類の異なるそばを食べることができる。そこは、日本食における様々な食材や調理技法が集約された、高度で多様なラーメン文化を体験できる場所といえるだろう。

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