銀座2丁目の大塚家具銀座本店のあるビルの地階にある中華料理レストラン。ニューヨークに4店舗あるジョーズ・シャンハイの日本の店の一つである。
スワロスキーのシャンデリアが輝き、スタイリッシュでゴージャスな店内。壁側にガラス扉のワインセラーもあり、赤を基調とした、変化にとんだインテリア、間接照明などレストランとしての空間構成に優れている。ゆったりとした客席やサービスのレベルも高く、今まで日本にはないタイプの中華レストランである。香港やシンガポールなどの中華料理レストランが進化している一方で、日本の中華料理レストランに進化が見られなかっただけに、このようなハイレベルの中華レストランに新しい変化が見られるのは注目すべきことだろう。
訪れたのは休日の2時過ぎだが、満席で大変にぎわっている。入り付近にあるソファのあるゆったりとしたウェイティングルームで10分程度待つと席に案内してくれた。円形の赤い、ゆったりとしたソファの席である。
休日のランチタイムのメニューは1500円前後のセットメニューが多い。黒酢酢豚セットを注文する。春まき、小籠包2種、メイン、デザート、スープがつく。
スープは海草(アオサ?)と豆腐の具材だが、出汁の味が薄いため、海草の旨味が生きてこない。
揚げ春巻きは薄いパリパリの皮。具材はエノキや豚肉などがねっとりジューシーだが、ボリューム感はない。
小籠包(蟹肉と蟹味噌入り、豚肉)はかなり大きいサイズで、皮も厚めだが、肉汁はたっぷり入っている。蟹味噌はあまり感じられなかったが、肉汁は濃厚なうま味と凝縮感があり、ボリューム感がある。黒酢がおすすめとのことだが、何もつけなくても美味しく食べられる。世界3大小籠包の一つといわれるだけのことはある。繊細な鼎泰豊のものとは対照的だ。
黒酢酢豚は鎮江産の黒酢を使用。豚の衣がやや厚く、揚げ具合は最高レベルではないため、食感が今一つといったところ。豚肉は柔らかくねっとりしてて、ジューシーではあるが繊維の食感はない。野菜はジャガイモ、ニンジン、エンドウ、レンコン。ジャガイモが固めで、ほくほく感があり、意外に良い。黒酢の香りは芳潤である。
デザートの杏仁豆腐は糖蜜がかかっていてパンナコッタやプリンのようである。味も濃厚で凝縮していてクリーム感がある。最近、あまり流行らないタイプの杏仁豆腐だが、かなりうまい。
連れの注文した海鮮あんかけ五目焼きそばのセットも、焼きそばでは珍しいホッキ貝など海鮮が豊富に入っていて、上品な味わいの麺とともに、完成度は高かったようである。
料理の水準は最上級ではないものの、日本の高級中華料理のレストランとして平均以上のレベルであり、銀座の立地とスタイリッシュな雰囲気とあわせて、評価できる。