フランス篇――その3 パリ②
パリ2日目は、早く起きて、ルーブルの脇を通り、午前中のツアーの出発点、ピラミッド駅近くまで歩いて行く。
オペラ座に近いこのあたりは日本人が良く訪れる街で、クロネコのヤマト運輸やにジュンク堂がある。ヤマ運輸はワイン愛好家にとって重要な店だ。
近くのカフェで軽く朝食を済ませる。半日のバスツアーに出発。ルーブルの脇を通ってセーヌ河の南側へ。
エッフェル塔で下車。エッフェル塔の形をしたキーフォルダーを売りに多くの男たち近づいて来る。
エッフェル塔の反対側は旧陸軍士官学校(Ecole Militaire)。
セーヌ川岸に出るとを渡ると1900年のパリ万博に建てられた、展覧会場のグラン・パレが川の向こうに見える。反対側にはナポレオンの墓のあるアンヴァリッド。
モンマルトルの丘で下車。サクレ・クール寺院への階段を上る。
ジプシーの少女が署名を要求しているが、署名に応じると今度は現金を要求されることになるので注意しなければならない。外国人が訪れる観光地で良く見かける光景である。
丘の頂にあるサクレ・クール寺院から南のモンパルナスタワー方面を望む。
観光客で賑わう、パリの田舎といわれるモンマルトル界隈。
ゴーギャン、ゴッホ、ピカソら著名画家たちが通ったカフェ。
有名なテルトル広場は観光客がいっぱいだ。画家たちが絵を売っている。日本人の画家もいるが、日本人観光客が覗き込むと絵が売れなくなるので商売の邪魔だと言っていた。
ヴァンドーム広場に面したホテル・リッツの2つ星レストラン、レスパドンL`Espadonで昼食。
装飾が施され、絨毯の敷き詰められた廊下を歩いて行くとレストランに突き当たる。そこはロココ風の豪華な室内である。
壁際のテーブルに案内される。日本語のフランス語の併記されたメニューを用意してくれた。80ユーロのランチのムニュ(コース)を選ぶ。前菜とメイン、デザートのコースのプリ・フィクスだが満足できる内容だ。淡い色合いのインテリア、エレガントな装飾の施されたダイニングルームは温かみのある雰囲気を醸している。
アペリティフはシャンパンを。
アミューズはフォワグラ入りカプチーノ。春巻きのような揚げたパスタ。四角いトリュフの入った小さな茶碗蒸しのような玉子料理。
前菜は鴨のフォワグラのポワレにセップ茸。薄く焼いたサブレ2枚の上に刻んだゆで玉子がトッピングされている。
あと細長い魚はカリカリに焼いた穴子(?)。上にトマトと玉ねぎのコンフィチュールをクスクスでロールしたものの輪切りが3個トッピングされている。
グラスワインはソムリエのお薦めに従い、ここではカオールの赤ワインをいただく。スュドゥ・ウェストの特産であるフォワグラにカオールを合わせるという教科書通りのチョイスである。
メインは小鳩のロティで濃厚なブラウンソースとあわせて、野生味のある複雑な味わい。付け合わせのとろっとした野菜の入ったカネロニもクリーミーで美味しい。野菜の入った濃厚なコンソメが付く。ソムリエが選んでくれたグラスのワインは、なんとスペインのプリオラート。ボルドースタイルのしっかりした濃厚な味わいが確かに鳩に良く合う。
白身魚のヒメジのポワレにはインゲンやドライトマト、松の実がトッピング、小エビのクリームソース、デンファレ(食用蘭)が添えられている。
全体に味はやや濃いめだが、視覚的に美しく上品な料理である。
イチジクのソルベ。ガトー・ショコラにバニラアイスクリーム。
テーブルには生花が彩りを添える。
カフェのプチフール。
スタッフのサービスレベルは相当高く、ゆったりとした気分にさせてくれる。優雅な雰囲気の中で、満ち足りたランチであった。
ヴァンドーム広場からオペラ座界隈を散歩する。
ルーブル美術館へ。閉館まで時間が40分くらい。中国人の団体が何やら時間延長の交渉をしているようだ。
館内の広さに対して、時間が余りにも少なすぎた。ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、モナリザの場所が分かりにくく、見るまで時間がかかったがようやくたどり着く。
歩き疲れ、安く早く喉を潤すため、スタバでフラペチーノを。生クリームが山盛りだ。パリの飲食業界にアメリカ企業が進出できる理由が良く分かる。
マドレーヌ広場に向かう。貸自転車のレンタルシステム(Velib’ ヴェリブ)の無人スポットがある。
最近建設されたのだろうか、モダンなデザインのアーケードがある。
日本の横浜元町の高級バッグブランド、GENTENのパリ店もある。
大規模ワイン店のLAVINI。ワインバーも併設されている。フランスの地域ごとにコーナーが設けられ、ワインの品揃えは世界トップレベルである。低価格のワインはとんでもなく安い物があるが、高級なワインになると、必ずしも安くはないようだ。
マドレーヌ広場には高級食料品店が立ち並ぶ。FAUCHONやHEDIARDなど土産物を買いに来たのであろう日本人観光客が目立つ。
パリの地下鉄14号線は新しい。他の地下鉄が古めかしいが、この路線は車両も新しいし、駅にもエスカレータがあり、清潔感がある。
この日の夕食は昼が重かったので、予約はしていなかった。ホテルの近くのタイ料理のレストランに行こうと思ったが、定休日のようだ。地球の歩き方に掲載されているホテル近くのLes Philosophesというカフェに入った。かなり混んでいたが、奥のテーブルに案内される。テーブルがぎっしりと並んでいて、隣のテーブルとの間隔がかなり狭い。
隣のオランダ人から話しかけられる。その向こうにはカナダ人。旅行者もかなり来ているようだ。
アジア風サラダ、ビーフのタルタル・ステーキと鴨のコンフィを注文する。アジア風サラダは、ナムプラーの入ったタイ風の味付けでパクチーも入っているが、辛くはなく、少し甘いのがアジア的。
ビーフのタルタルはかなりのボリュームだが、脂は少ないので食べやすい。生肉は大丈夫なのだろうか。
鴨のコンフィは外側がパリッとしていて、中は柔らかくてジューシー。これも見た目はかなりのボリュームだが、くせのない上品な味だ。
ワインはCOURSODONのサンジョゼフの赤(SAINT JOSEPH 2009)を飲む。
このようなシンプルなビストロ料理は、いかにもパリらしくていいものだ。