昨日21日、渋谷の「アトリエ・デュ・ヴァン」で開催されたニュージーランドのネルソンのワインの試飲会に行ってきました。今回が初荷となる新会社「Milcrest Holdings Japan(株)」さんの輸入するワインです。
http://milcrestestate.jp/
まず、2006年設立のブティックワイナリー、ミルクレスト・エステートMilcrest Estateのワイン、6アイテムをテイスティングしました。
ニュージーランド南島最北端のネルソンはアロマティック品種の白ワインに向いているといわれています。そこで、まず白ワインをテイスティング。
ゲヴェルツトラミネールは試作品ということでしたが、ライチやバラなど様々なフローラルな香りが混ざり合って豊かに感じられ、味わいに凝縮感もあり、完成度の高いものでした。リースリングは豊かな酸味と引き締まった味わいに、ほのかに残糖も感じられ、中辛口ドイツワイン的雰囲気があります。ピノ・グリは香り豊かで酸が柔らかく、緻密な味わいで、全体的なバランスが非常に良く、日本料理との相性が良さそうです。
これらとシャルドネはかなりタイプが異なります。白桃やほのかに木樽に由来するココナツやバニラの香り、柔らかな酸味とミネラル感が感じられ、ボリューム感のあるリッチな味わいです。
次に赤ワインワインのテイスティング。
ピノ・ノワールは、ラズベリーなどの赤系果実の香りが豊かで、土や鉄の香りも感じられ複雑性があり、酸味も豊かです。
シラーは北ローヌタイプのシラーでオーストラリアのシラーズとは全く異なります。サン・ジョセフのような、酸の豊かなピュアな味わいにスパイシーさが感じられ秀逸でした。ローヌイーストを使っているとのことでした。
2009年がファースト・ヴィンテージで樹齢が若い樹が多いにも関わらず、完成度が高く、ブドウ品種にこだわった醸造方法による、キャラクターの異なる完成度の高いワインでした。これからが楽しみです。
http://www.milcrestestate.co.nz/
次のワイナリーは同じくブティック・ワイナリーのリム・グルーヴ・ワイナリーRimu Grove Wineryです。カリフォルニア・ナパ出身の生産者のワイナリーです。ボトルがアルザス・ワインような形状ですが、ワインもアルザス南部のグラン・クリュのワインのように、果実味があってリッチで凝縮感のある味わいでした。
ミドル・アースMiddle Earthは「ロード・オブ・ザ・リング」の「中つ国」から名前を取ったブランドで、前の2つのワイナリーに比較して、機械収穫などによる大量生産型のワイナリーです。独特のグリーン・ノートのある典型的なソーヴィニオン・ブランをテイスティングしました。
この日にテスティングしたネルソン産のニュージーランド・ワインは、日本ではまだ無名ですが、それぞれの生産技術のレベルの高さを感じる、上質でエレガントなワインでした。