横浜中華街で休日のランチ。中級店で待たずに食べることができる店を探していたところ、、食べログ上位店として抽出された。横浜中華街のはずれ、元町に近いエリアの中華料理店。カフェのようなカジュアルな雰囲気の中華ダイニングであるが、洗練された感はなく、シンプルなインテリアで街の食堂に近い内装である。
ランチメニューは休日でも平日同様650円からのセットメニューがある。お得コース1500円が信じられないくらい内容豊富なのでこれに決める。ただ、内容は蒸し鶏の前菜、コーンスープ、麻婆豆腐、ブロッコリーと海鮮の炒め、小籠包、フカヒレ蒸し餃子、五目炒飯、杏仁豆腐と極めて一般的で、面白味がない。
ワインをグラスでオーダーしようとしたが、ボトルしかないとのこと。国際線のエコノミークラスで出されるような4分の1ボトルが、赤のみあるとのことだったのでこれを注文する。カリフォルニアのカベルネだが、スパイシーでちょっとリッチなタイプ。甘さが中華によく合う。一応、マリアージュを考えているのだろう。
前菜は蒸し鳥。シンプルな味付は上品であっさりとしているが水っぽくはなく、旨味はある。
コーンスープはとろみがついた中級レベルの中華料理店でよく出るタイプだが、鶏出汁によると思われる旨味がしっかり抽出され、溶き卵に絡んでいる。量は2人前としてはかなり多い。
麻婆豆腐はスパイシーさよりは旨味中心の上品な味、刺激的な辛さはなく、花山椒も感じられなかったが、豆鼓や味噌に旨味が感じられ、絹濾しの豆腐と共にソフトで優しい料理として楽しめた。
海鮮とブロッコリーの炒めは海老、イカ、ホタテ、ブロッコリー、筍、フクロタケなど。炒め具合が程よく、ブロッコリーはシャキシャキ感あり、イカやエビはプリプリしている。塩加減もエレガントだ。
小籠包も熱々の肉汁がたっぷり。フカヒレ餃子も繊維のねっとり感が良い。
五目炒飯は五目といっても卵とチャーシュー中心のシンプルな具材だが、炒め方のレベルが高く、油のべったり感がなくふんわりしていた。
杏仁豆腐は溶けるようなソフトなもので、高級店によくあるもの。ラーメン店にあるような生クリームの入ったものではない。
全般に調理技術のレベルの高さが感じられ、上品な味わいの中に、一流店での長期間の調理経験によると思われる技術と料理センスが感じられた。
サービススタッフは1人でかなり忙しそうだが、客が少ないので何とかなっている。洒落たところはない店だが、待たずに中華街の上位レベルの料理を食べることができる店として貴重である。創意工夫のある料理も食べてみたいところである。それにしてもこれだけの内容で1500円は安い。
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