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ゴールデンウィークの佐賀と長崎の旅行、最後の訪問地は佐世保です。まずは、佐世保市郊外の九十九島の絶景が眺められるスポット展海峰へ。DSC07612 DSC07613

市の中心部から近いところ絶景スポットがあるのが、この街の魅力でしょう。しかもこちらは駐車場から近いところに展望台があります。眺めは午後のほうが良いでしょう。多島美の風景としては、素晴らしいです。DSC07619 DSC07621DSC07617

市内に戻って米軍基地の近くは佐世保バーガーの拠点。佐世保バーガーはすごいスローフードだ。ヒカリ、LOG KIT(ログキット)は米軍基地の近くにあり、、超人気店です。ビッグマンは市街地中心部の佐世保中央駅の近くにあります。米軍基地の近くの2店は大変な混雑です。中心市街地のアーケードにあるといいのですが。

駅前の近くでレンタカーを返して、街中の探訪に入ります。 色調を統一してきれいに整備された駅前です。マンションやホテルなどが立ち並び、都市計画事業が進めらたあとが感じられます。

駅に隣接して、JR九州が九州各地の駅前に展開する「えきマチ1丁目」という複合商業施設があり、1階部分がオープンモールとなっています。佐賀のスーパー、エレナなどが店を構えています。DSC07630 DSC07631 DSC07633

駅前の幹線道路の国道35号線は道幅が広く、電線も地中化され都会的な空間が作られています。駅周辺も駐車スペースもあるゆったりとした街並みです。DSC07635

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カトリック三浦町教会が国道沿いの少し上ったところにあります。国道からもよく見えます。市街地の中心部にあって街の個性が感じられます。DSC07636

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両端が厳しい佐世保のアーケード

佐世保市の中心部のアーケードは全国的にも有名で、かつて藻谷浩介氏が講演会でよく紹介していて、街づくり関係者の中では有名であり、一度訪れてみたいと思っていた商店街です。

佐世保駅に隣接したえきマチ1丁目の隣の街区には、アルカスSASEBOというホールがあり、オーケストラのコンサートなども開催されています。長崎県が設置する「県民文化ホール『シーサイドホール・アルカスさせぼ』」と佐世保市が設置する「佐世保地域交流センター」の複合施設で、シーサイドホール・アルカスさせぼは大ホールが2000席、中ホール500席、イベントホールがあり、2001年にオープンしました。DSC07645DSC07648DSC07651 DSC07655 DSC07656アルカスSASEBOの隣には高層マンションが建ち、都会的な雰囲気を出しています。DSC07646

佐世保駅の方から国道35号を進むとアーケードの入り口のアーチが見えてきます。四ヶ町商店街(よんかちょうしょうてんがい)は、全長は516m、幅11mでアーケードが連続して繋がっている三ヶ町商店街の長さを含めると960mとなり、直線に繋がった全天蓋アーケードの商店街としては日本一の長さである。DSC07657

アーケードの入り口付近には佐世保バーガーの店C&Bバーガーズもあります。最近オープンしたようです。この辺りは人通りはまばらです。DSC07658DSC07659 DSC07660

シャッターの降りた店や金明堂書店が撤退した後の更地がこの辺りにはあります。DSC07661DSC07662アーケードの商店街全体はサルクシティ4○3という愛称があるが、あまり呼ばれていないようです。

ベスト電器はかなりの大型店です。DSC07663

 

四ヶ町商店街が運営するコミュニティスペースのくっけん広場です。観光案内所、カフェ、まちなか情報発信基地としての機能をになっているとのこと。護衛艦カレー、ハヤシライスがいただけます。

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生産者市場だんだんは佐世保・北松・松浦・平戸地区の農家の野菜、果物、花、米に加え、九十九島のいりこ等の海産物やこだわり菓子等を直売しています。DSC07669この辺りにも完全閉店のあとのシャッター店があります。DSC07671 DSC07672商店街の通りには休憩のための椅子も置かれています。DSC07673 DSC07674上京町と本島町の間には大きなアーケードドームがあります。高松市の丸亀町のアーケードの交差点に、再開発の際にできたドームと似ています。DSC07675 DSC07676このドームを過ぎるあたりから人通りが急に増えてきます。DSC07677 DSC07678 DSC07679

TWINKLE(トゥインクル)西沢は百貨店ブランドがあるかなり規模が大きい地元の大型商業施設。百貨店協会には所属しませんが実態は百貨店。地下にはくまざわ書店があります。佐世保のアーケードの核店舗です。DSC07680 DSC07682 DSC07747

島瀬町に入ります。西彼とれたて処 佐世保店。西彼の農産物、海産物、工芸品の店です。産直はどこも賑わっています。DSC07685

西沢本店Alba。西沢本店TWINKLE(トゥインクル)西沢とは全く別の店で資本関係はありません。全国チェーンのテナントが入っています。DSC07688 DSC07689 DSC07691

松浦鉄道がアーケードの上を通っています。東京交響楽団の演奏会の看板の向こう側が線路です。DSC07686

この先には、イオン佐世保ショッピングセンターがあります。島原鉄道佐世保中央駅と直結のこの店舗は、全国でも珍しい中心市街地のイオンであり、佐世保の中心市街地の中心的存在として重要な役割を担ってきました。郊外のイオン大塔ショッピングセンターや佐世保駅に隣接した5番街のオープンで役割は低下しています。DSC07687

イオンの横を入っていくと、わかりにくところにMR島原鉄道の佐世保中央駅があります。駅前であるにもかかわらず、猫も歩いていて、意図してそうしているのか、かなり場末・レトロ的な雰囲気です。DSC07740 DSC07741 DSC07743 DSC07744四ヶ町商店街と三ヶ町商店街の間はアーケードはつながっていますが商店街が途切れて、国道側が島瀬公園、反対側が駐車場になっています。島瀬公園ではまちなかマルシェが開催され、賑わっていました。DSC07692 DSC07694 DSC07696

角にあるのが佐世保唯一の百貨店、佐世保玉屋です。店の前には駐車場があり環境は決して良いとは言えません。シニアマーケティングが素晴らしいのは佐賀の玉屋と共通しています。この日はゴールデンウィークで、全国のラーメンイベントが大人気で、大変な混雑でした。私のワイン友達でもある石神秀幸さんのプロデユースでした。DSC07697 DSC07701 DSC07735 DSC07736

四ヶ町商店街の先の三ヶ町商店街(さんかちょうしょうてんがい)は全長398mで直線でつながっている四ヶ町商店街の長さを含めると960mとなり、直線のアーケード街としては日本一の長さとなります。全天蓋アーケード商店街マニアとしては、このレベルの地方都市の商店街として、最高レベルの賑わいを見ることができる貴重な商店街です。DSC07703 DSC07704三ヶ町商店街はサンプラザ商店街の愛称があります。DSC07706

2007年から取り組まれてきた栄・常盤地区再開発事業が、様々な曲折を経て2014年に完了しました。サンクルというネーミングです。DSC07707DSC07709

商業施設は1階部分のみで、2階には医療モール、中央公民館、子供発達施設の公共施設などがありますが、上層階の中心は高層マンションです。DSC07717

DSC07715DSC07710DSC07714店舗は長崎県を拠点とするスーパーのエレナのミニ店舗やドラッグストアーなどで、近隣の住民を対象とした店舗構成でNagasakiDSC07716

DSC07705日常使いの店舗中心で、特に外から買い物客を呼び込むような魅力的な店舗は少ないようです。駅に近いモールの5番街に入っている全国チェーンに負けてしまいました。上層階まで商業施設として、ナショナル・チェーンのカテゴリーキラーと地元色の強い個性豊かな店を入れるべきでした。佐世保バーガー街など地元の香りがする強力なテナントリーシングができなかったのでしょうか。商業床に関する藻谷理論の影響を受けて、控えめな商業施設にしたのもしれません。

この再開発ビル、サンクルから先は人通りが極端に少なくなります。松浦公園の先は商店も少なくなります。DSC07719

DSC07721DSC07722再開発は難しいです。日常使いの店だけでなく、遠くから人を呼ぶことができる魅力的な店や場所がないと、他のモールや郊外の大規模店に勝つことはできません。

 

佐世保駅方面に戻ることにします。

四ヶ町のアーケードと並行した通りにあるビッグマン佐世保京町本店は超有名な佐世保ハンバーガーショップです。元祖ベーコンエッグバーガーは絶品です。卵のクリスピーな香ばしさ。マヨネーズの酸味とクリーミーな味わいに、ジューシーなパテの肉汁やバーンズのソフトな食感。幸い16時に入店のため、15分程度の待ち時間でした。DSC07748 DSC07750 DSC07751

DSC07752サルクシティに並行した道路が夜店公園。その名のとおり夜の店(飲食店)と公園が一体となっているユニークな街です。飲み屋がひしめいいます。なぜか、飲み屋街は全国的に商店街と並行してあります。イベントなどうまくやればブレイクの可能性があります。 DSC07762 DSC07764 DSC07765

四ヶ町のアーケードと交差している京町商店街です。35号線の両側部分も京町通り商店街ですが、交差部分は山側の住宅街から四ヶ町のアーケードに降りてくる経路になるため賑やかです。条件が良いため全国チェーンのファストフードが集中しています。DSC07766 DSC07767 DSC07768国道35号線の山側には、かつて2012年の火災までは、中央戸尾市場、西海市場、とんねる横丁、三角市場、戸尾市場の5つの市場で構成されていた市場がありました。火災があったことなどで、現在はほとんど壊滅状況ですが、一部の店舗が開いていて魅力的な場所です。残った店がこれからブレイクの可能性があります。DSC07777 DSC07779 DSC07780 DSC07781 DSC07783 DSC07784 DSC07789 DSC07790 DSC07791   本田蒲鉾店は現在も人気で、揚げたての蒲鉾を購入する人でたいへん賑わっています。DSC07793

市場の一角、かつての防空壕のトンネル横丁です。佐世保バーガー店ベースストリートがあります。防空壕を見せれば面白い場所になるでしょう。DSC07798DSC07797DSC07794五番街は佐世保駅に隣接、大規模な駐車場もあります。カテゴリーキラーが勢ぞろいで、強みがあります。佐世保バーガーの有名店など飲食店は魅力があります。DSC07810 DSC07813

佐世保駅に近接で、中心商店街との回遊性も確保できるため、中心商店街も了解せざるを得なった経緯があります。しかし、中心部のアーケードは大打撃を受けているのは明らかです。

佐世保の中心市街地は玉屋、イオン、西沢の3極を中心に生きてきました。個々の商店の魅力を高める努力をしてこなかった。再開発のサンクルは魅力を高める最後のチャンスだったのですが、他の店を考慮して、あえて戦略的なテナントリーシングをせずに、商業床の規模の小さく近隣住民向けのテナントを入れてしまった。このあたりに失敗の原因は見えます。

たぶんモデルにしたであろう、中心市街地の高松市の丸亀町のような複合再開発は、テナントの中身が重要です。

佐世保の五番街と同様に、旭川市の駅前にイオンモールが昨年開業しましたが、西武旭川店は売り上げが伸びず、今年9月30日をもって閉店を表明しています。駅前とはいえ大規模店の整備が中心市街地衰退の原因となる可能性はあります。

佐世保市も中心市街地に整備されたコンサートホール・アルカスは素晴らしいし、中心市街地にもコンサートのフラグがあるなど市民の文化レベルの高さを物語っており、他の地域では見受けられないものです。しかし、この施設が5番街と中心商店街の回遊性の妨げになっているのも事実です。

最近の佐世保の中心市街地の変化は、佐世保駅前に五番街という大規模ショッピングセンターができたことがすべてでしょう、商店街の人の流れが変わり、従来の回遊性は確保できなくなっています。長年の中心市街地の商店街の大規模店に対する反対の中で、出来上がった佐世保五番街は、従来全国まれにみる優等生商店街であった佐世保の中心商店街を変えつつあります。

25万人の人口規模、全国的には珍しく依然として都会的環境を漂わせている都市として佐世保市は魅力的です。

佐世保には実は魅力的な資源がかなりあります。しかし資源を生かし切れていないのが現実です。市内至る所にある海の見える坂、丘陵の住宅地、米軍や自衛隊などです。

佐世保重工などの存在感のある造船所や工場はいわゆる「工場萌え」ですでに人気です。

佐世保市のような規模の人口20万人台の都市は、街のプロデュース能力、端的に言えば市長で決まるのです。

特例市として都市計画のデザインを描くことが可能であり、選択肢の多い20万人台都市においては、政策の可能性は無限に広がります。

その結果、都市政策の中身、都市経営のマネジメントの優劣は市勢の発展に如実に表れ、人口の増減など数字として違いが出てきます。

今回は佐世保市の中心市街地を取り上げましたが、今後、20万人台都市の都市経営をいろいろと取り上げていきたいと思います。

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