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輪島KABULET 「ごちゃ混ぜまちづくり」の最先端地方再生プロジェクト

七尾から和倉温泉を経て輪島の街に入ると、黒い瓦屋根に板塀という建物が続く日本的な統一感のある美しい街並みが目には入ります。電線も地中化されていて、行政と民間が協力しながら街づくりを進めていることがうかがわれます。日本的で重厚な街並みは外国人に受けているようで、西洋系の観光客が多いのが特色で、かなりの数の観光客を見ました。この街は街並みの景観レベルでは日本最高レベルではないかと思われます。 DSC06163DSC06147

黒い屋根瓦に板塀の街並み。新しい建てられた家も既存の街並みに調和した設計がされてて、城下町の街並みをコンセプトとしている松本市と共通する街並みづくりが感じられます。かなり行政が街づくりに関与していることが想像できます。DSC06160DSC06162

輪島の朝市は多くの観光客を集めていますが、朝市の終わる午後になると閉める店も多いそうで、町が静かになりるとのことです。朝市の魚などこの時期はのどくろの開きなどが中心で、いまひとつ面白くないシーズン。これは金沢の近江町もいえることですが。意外なことに朝市通りは伝統的な建物は少なく、中途半端な外観の意匠の建物が多いため、街並みの面白さには欠けるようです。DSC06114  DSC06116  DSC06120   DSC06124

倒産前に稲忠が運営していた場違いな雰囲気のイナチュウ美術館の前にも朝市が。DSC06115

永井豪記念館の前にも朝市が出ています。DSC06119お休みどころ(観光案内所)もあります。DSC06121

駅長さんで有名な(だった?)ホテル高州園の店は近代的です。DSC06123朝市の終点から中心市街地方面に向かいます。観光バスから降りてきた人々は和倉温泉方面からの観光客でしょうか。DSC06128 DSC06130

輪島塗会館も朝早くからオープンしています。内部が撮影禁止なのは残念。 DSC06134

NHKの朝ドラ「まれ」のロケ地巡りもまだ人気のようです。これは「まれ」ゆかりの地のひとつ、河原田川にかかる「いろは橋」。DSC06127

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輪島塗会館の前の道路は、輪島市中心部を東西に抜ける輪島市のメインストリー国道249号線です。両側には輪島塗の稲忠本店や蕎麦のやぶ新橋など輪島を代表する店が並びます。DSC06137 DSC06140 DSC06141

この後紹介する中心市街地プロジェクトの中心となる輪島市の中心部です。黒い屋根瓦に板塀の伝統建築がかなりありますが、空き地もかなりあります。DSC06143

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輪島塗の工房を見たり体験したりできる「工房長屋」。建物も雰囲気があります。近くに足湯「湯楽里」もあります。DSC06180DSC06175

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輪島の街はコンパクトで街中歩きには最適な規模です。ヨーロッパの街にも共通するものがあります。

輪島塗会館の前の通りは輪島市の中心部を東西に結ぶメインストリートです。

この輪島市内で新たな街づくりプロジェクトがスタートしています。輪島KABULET(カブーレ)という中心市街地プロジェクトです。

日本版CCRCの先行事例といわれるシェア金沢を運営している社会福祉法人の佛子園がこの街を変えようとしています。

その中心コンセプトは多世代多文化共生型の街づくり。シェア金沢が新たに整備されたエリアで実施してきた街づくりの取り組みが、既存の中心市街地で計画されています。シャア金沢についてはこちらをご覧ください。http://uemuraakifumi.com/machi/4665

計画の内容はシェア金沢と同様のコンセプトのもとに、空き家を利用した温泉や蕎麦屋、ママ図書館、ウェルネス、外国人シェアハウス、住民自治拠点、販売所、障害児就労支援サービス、サービス付き高齢者住宅や店舗、生きがい創出型施設、温泉など地域住民のコミュニティ施設。工房などの文化施設などが予定されています。

高齢者や障害を持つ人、子育て世代や若者、移住者、外国人などごちゃ混ぜの多世代多文化共生型の街づくりを目指しています。fig_03地域、高齢者、若者、温泉、食堂、ライブなど従来、別々のエリアで個別に整備されてきた様々な機能がごちゃませにエリア内で整備されます。

さらには、ITやハイテクを使った先端的な機能整備です。その一つとして輪島では電動カート利用の新交通システムが面白い。高齢者や移動弱者の街中移動手段として、ゴルフ場などにある電動カートが整備されようとしています。GPS機能などを活用して、自動運転になればさらに良い。世界中から視察者が来るでしょう。富山市にLRTが整備されていますが、高齢者や移動弱者の移動手段の確保は今まで行政がほとんどやってこなかった、重要な課題です。整備費用が掛からない新しいシステムが注目されます。map

ITを活用した様々な仕組みが高齢者や障害書をサポートしたり、観光客に情報を提供し、誘導するシステムがほしいところです。

街中にはかなり空き家や空き地が見受けられるのは、日本各地の地方都市と共通する問題です。これを活用した地元産の食やスイーツを提供するカフェなどを整備して、観光客と地元住民が交流できそうです。

アートやIT関連などの若者の移住する街中の住まいも人気を集めそうです。

輪島塗の街中工房からアートの街へ。デザインが伝統的なものに偏りすぎる傾向のある輪島塗ですが、有田焼などのように新たなでデザインを導入して、和食のみならずフレンチなどの食器としても実用可能です。シェア金沢でもあった大学生アーチストのレジデンスもできれば面白いでしょう。製作過程のIT導入により、分業でなくても作家が一貫生産できないかと思われます。現在は製作段階が分業のため、後継者不足がネックとなっています。

 

青年海外協力隊OBの活躍の場

この輪島KABULETのプロジェクト、輪島商工会議所の里谷会頭とシェア金沢などを進めてきた社会福祉法人佛子園の雄谷理事長の連携により実現しました。行政の縦割りを排除し、社会福祉、まちづくり、文化、商業など、いろいろな要素がごちゃまぜとなった街づくりが特色です。

多世代共生型まちづくり、多業種共生と多文化共生、伝統文化と新文化、伝統技術・アナログと新技術・ITなど従来では相いれなかったコンセプトが溶け込んでいます。

スタッフは高齢者支援、障害者支援、子育て支援事業など福祉事業に携わりながら、それぞれの得意分野を生かしたまちづくりに取り組んでいます。スタッフの中心メンバーは青年海外協力隊の帰国隊員。このプロジェクトは青年海外協力隊の帰国隊員で構成される公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)と社会福祉法人佛子園の協力により実現しました。雄谷良成氏は青年海外協力協会の業務執行理事・理事長も務められています。

 

 

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