北千住の旧日光街道をさらに南に進むとかもん宿商店街に入る。商店街入口付近の中華料理の鶴亀飯店はかなり賑わっているが、商店街は人通りが少なくなる。安藤昌益の「自然真営道」発見の地の掲示もある。
やっちゃば
掃部宿憩いのプチテラスを過ぎ、さらに道幅の広い墨堤通りを渡ると、やっちゃば(青果市場)の跡地になる。
両側にはかつてあった店の看板には屋号が記されている。元青物問屋、元仲買卸商など様々な店があり、かつての賑わいがうかがわれます。
このあたりに掲示されている説明から、かつてこのあたりで文化的素養のある経営者たちが酒を飲みながら親交を深めていたことが伺われる。北千住は奥が深い。
千住宿プチテラスの七福神
京成線に近い江戸時代の蔵をそのままギャラリーとして貸し出しているのが千住宿歴史プチテラス。ここでは、ちょうど第11回東京の七福神写真展を開催中であった。大島から八王子に至る東京の七福神の写真が展示されていた。池上や深川、品川神社などすでに訪れた歴史的な雰囲気のあるところには、数多くの七福神が祭られている。かなりマニアックではあるが、同じ福神でもかなり異なった外観が興味深い。この界隈、かなりディープである。
両替商から青果物問屋となった谷清谷塚屋、将軍鷹狩休憩所の元長床茶屋、高内長之助、元そばやの川上久六郎などの跡地が続き、京成線の高架の先で国道4号線に合流して千住大橋である。
京成線の高架を過ぎると、左側に千住宿奥の細道プチテラスがある。ここには松尾芭蕉の筆を持った石像がある。千住は松尾芭蕉が奥の細道へ旅立った地であり、一句目の「行春や鳥啼き魚の目に泪」を詠んだとされる墨田川岸に近い大橋公園には「奥の細道矢立初めの地」の碑もある。
千住大橋の左側には東京都中央卸売市場千住市場がある。こちらは小規模ながらプロ向けの鮮魚市場であるが、築地市場のように一般の人も買い物や飲食の利用ができる場外がある。この日は日曜日のため休業日であった。
千住大橋から京成線の千住大橋の駅の方向に向かう。途中石洞美術館がある。六角形の瓦屋根のある東洋風の近代建築。世界各地の土器や陶磁器が所蔵されているそうだが、近日のスペイン陶器展の開催が告知されていた。石洞美術館が入っている建物ははんだ製造の千住金属工業株式会社の本社ビルだが、銅板葺きおろしの屋根、煉瓦タイル貼の六角形の東洋風のユニークな建物である。
千住大橋の駅周辺は再開発が進んでいて、ショッピングセンターやマンションが立ち並んでいる。ポンテグランデTOKYOという約12haの開発エリアで、開発主体はUR都市機構と株式会社ニッピである。千住大橋の駅に近いエリアには三菱地所のポンテポルタ千住という商業施設がすでにオープンしている。食品スーパーLIFEを核テナントとして、全国チェーン中心の郊外にあればごく普通のショッピングセンターだが、千住エリアの一角にあるとマンション群を含めて、このあたりでは存在にやや違和感を感じる。
再び、北千住駅方面に戻ることとする。
人通りの少ないミリオン通りという商店街を抜けて、東京芸術大学の脇を抜けると、やがて駅に近い狭い路地に飲食店や風俗店が渾然と立地した飲み屋街になる。昼から酒を飲んでいる人々も多く、この雑然とした街に、かつての北千住のイメージに近い昭和の趣が残っている。このような都市開発から取り残された街並みも、今となると貴重で新鮮な街の魅力があり、どちらかというとそのまま残して再開発してほしくないエリアである。
ルミネ、丸井とイトーヨーカドー
丸井の地下は食遊館という食品売り場、いわゆるデパ地下になっている。地下2階の惣菜売り場は都内でも最高レベルのデパ地下だろう。そのなかでも注目すべきは宇豆基野。豆腐料理、湯葉料理の店ですが、本店は食べログ千住地域のランチで1位。土日ランチ営業飲みのため、極めて予約の取りにくい店になっています。この売り場の創作性の高い豆腐料理、湯葉料理は美しく味も上品で深い味わいである。しかも植物性タンパク質中心のカロリーは低くヘルシーな料理。