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さいたまスーパーアリーナで開催された、全日本フィギュアスケート選手権の2日目と3日目を観戦してきました。

フィギュア・スケートをテレビで観戦するのは、毎年の冬の楽しみになっています。10月から始まるグランプリ・シリーズに始まって、12月のグランプリ・ファイナル、クリスマス前の全日本選手権、年明けの四大陸選手権と世界選手権へとつながって行きます。

今年はオリンピック・シーズンということもあり、今シーズン限りで引退する選手も多いため、実際に試合を観戦しようと思っていました。NHK杯では事前のネット予約の抽選や、店頭の発売に行ってみたのですが、代々木体育館の開催で、席が限られていたため、もう少しのところで入手できませんでした。

最近で家に近い新横浜スケートセンターでのアイスショーは何度か見ましたが、実際の試合を見るのは、5年前に札幌の月寒体育館で見た東日本選手権だけでした。観客はまばらでしたが、当時、ジュニアデビューしたばかりの羽生弓弦や今井遥の素晴らしい演技を見て、日本のフィギュア・スケート界の重要な選手になるのではないかという印象を持ちました。

全日本選手権は18000席のさいたまスーパーアリーナという大きな会場で開催されたため、ネット予約で2日目と3日目のS席を入手できました。なお、世界選手権も同じ会場で開催されますが、チケットを確保しました。

さいたま新都心駅周辺はフィギュアの観戦客で大変混雑していました。アリーナの中も関連グッズを売る店や軽食の販売店が混雑しています。

指定された扉まで外周の廊下を半周、かなりの距離があります。さいたまスーパーアリーナは巨大な屋内スタジアムですが、座席の配列の傾斜がきついためか、かなり上の方の席でも見やすくなっていて、臨場感があります。18000席となると観客の拍手やどよめきも迫力あります。ただ、縦方向の席であっため、選手が反対側を滑るときはかなり小さくなってしまいます。

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トイレの数はかなり多いにもかかわらず、休憩時間になると長蛇の列で、2日目は女子トイレが30分近く待ったようです。3日目の休憩時間には男子トイレにも行列ができていました。

2日目は女子のSPと男子のFS。両方の選手を見ることができるのはこの日だけです。それぞれ4時間近く、2時30分から終わるのは10時30分、それから行われる男子の表彰式は残念ながら終電に間に合わなくなるので、あきらめました。

まず、女子のSP。第1組にはいきなりジュニアの注目株、本郷理華選手が出場。昨年の全日本選手権でいきなり5位。今年は昨年に続きジュニアグランプリシリーズに2戦出場。ロシアのジュニア3強に比べていま一つの成績でしたが、ミンスクでは3位、全日本ジュニアでは優勝しました。身長も高く、細長い手足を生かしたで繊細で華麗な演技が持ち味です。特に、ジャンプのレネルは高く、今回は、ほとんどミスのないSPでした。

第3グループ。木原万莉子選手は強化選手ではない選手ですが、全日本ジュニアではSP1位、FS8位の総合4位。以前からジュニアで有望な選手だったのですが、中学1年の時3万人に1人という「大腿骨頭すべり症」という難病で手術、2年間のブランクの後昨年復帰。今回、ジュニア選手権の時以上の見事な演技を見せ、8位に入賞しました。来年の活躍が期待されます。最年少、13歳の坂本花織も素晴らしい演技で、高得点を出しました。

第4グループから2面の大画面のアリーナビジョンでテレビ映像が映ります。テレビの中継が入るからでしょう。このあとの女子の有力選手は、ほとんど大きなミスなく。会心の演技でした。宮原知子選手はミスのない演技でスタンディングオベーションを誘いました。今シーズン、グランプリシリーズで今一つだった、今井遥が久しぶりに素晴らしい演技で、スタンディングオベーションが起こりました。

最終第5グループグループ、トップの安藤美姫選手もほぼ完ぺきな演技、良く短時間でここまでレベルを上げてきたものかと思われました。観客の声援もひときわ大きく、スタンディングオベーションが起こりました。その拍手の中、浅田真央が登場。前の選手がキス・アンド・クライで得点発表をを待つ中で、次の選手のウォーミングアップが味まります。テレビではウォーミングアップは見られない光景です。前の選手の得点も聞かざるを得ないのです。

浅田真央選手は最初のトリプルアクセルを片足で着氷させ、ただ、その後は見事な演技を続けて、スタンディングオベーションを受けていました。ただ、トリプルアクセルは、アリーナビジョンのビデオ映像を見ると明らかに回転不足で、思ったよりも高い点が出なかったようです。。

村上佳菜子選手はSPの曲が合わなかったことが、今シーズンの不調の原因のようで、曲を2シーズン前の「ヴァイオリン・ミューズ」に変更しました。それが功を奏したのか、自信に満ちた素晴らしい演技の連続で、顔をくしゃくしゃにして泣いて喜んでいました。この日ほど感情が表情に表れる人は珍しい。

最終滑走の鈴木明子選手。村上選手の拍手が鳴りやまない中でウォーミングアップを開始しました。愛の賛歌が後半にかけて盛り上がる中で、素晴らしいい演技を繰り返して、これもまたスタンディング・オベーションでした。女子はすごいです。

 

男子のFS。男子の下位の選手は、男子の層が薄いためか、かなり上位との格差を感じます。大学生のシニアの選手が多く、応援団が多いため、声援はすごいのですが。最後の方の選手と2倍以上開く選手がかなりいて、それが延々と続くので見ている方も大変です。

第4グループでは、ジュニアで活躍していた日野龍樹選手が登場。かなり良かったのですが、上位は難しそうです。ジュニア卒業で来年は大会出場機会が限定されるかもしれません。天才ジュニアスケーター兄妹の本田真凛、望結の兄、強化選手の本田太一も登場。ジャンプが抜けたりで、トップレベルには届かなかった。妹の真凛の方が有望かもしれません。

第3グループでは、全日本ジュニア優勝の田中刑事選手は4回転に果敢に挑戦したが、バランスを崩したのが大きく響いて、点数は出なかった。、最年少の山本草太選手も登場。まだ、かわいらしい感じ。あまり良い出来ではなかった。無良崇人選手は、ジャンプがすっぽ抜けるなどちょっと精彩を欠いていましたが、今シーズンは町田樹選手の活躍の陰に隠れたシーズンを象徴しているようです。

最終の第4グループ。6分間練習でも会場全にの緊張感が漂っています。

いきなり、羽生結弦選手。最初の4回転サルコウでは、グランプリファイナルに続いて転倒。次の4回転トゥループでは、かなり厳しい状況であったが、ひざをかなり曲げて何とか支えてきれいに乗り切っていました。この後は完ぺきな演技の連続で、感動を呼ぶ演技に、場内はスタンディングオベーションでした。最初の4回転の失敗が響いて残念ながら200点超えはできませんでしたが、いずれSPで100点、FSも4回転サルコウを成功させて200点を超えで、300点を超える日が来るでしょう。それがソチ・オリンピックであったなら、金メダルが期待できます。

宇野昌磨選手は身長はあまり伸びていないが、高校1年生で羽生選手より3歳年下。トリプルアクセルで転倒したが、あとはまずまずの出来です。ジュニアながらもうそろそろトップレベルに入らないと、日本の男子フィギュアの将来が心配になます。

織田信成選手。冒頭の4回転からのコンネーションが成功し、次の4回転の予定3回転になったが加点のもらえる演技でした。その後、柔軟性のあるレベルの高いジャンプが決まり、ミスのない演技はスタンディングオベーションを呼びました。

高橋大輔選手のビートルズ・メドレー。会場全体から大きな声援を受けての演技でした。最初の4回転で転倒。次は両足直氷ながらなんとか成功したが回転不足。ほかのジャンプも精彩を欠いていました。ただ、それを何とかカバーしようという、個々の振り付けでは気迫が伝わり、いつも通りのキレのあるもので、感動を呼びました。途中で手を切ったのか、血だらけの手を演技終了後拭っていました。オリンピック出場の絶望を悟ったような表情でした。会場からは健闘をたたえる大きな拍手がありました。

町田樹選手の火の鳥。今シーズンの好調が持続した演技です。4回転トゥループと4回転トゥループからのコンビネーションを2本成功させたのは本当に素晴らしいことです。コリオ・シークェンスでエッジが引っかかった以外は特にミスもなく、スタンディングオベーションを受けていました。

小塚崇彦選手は4回転トゥループはオーバーターンながら着氷、その後順調だったのですが、ルッツで転倒してしまいました。予想以上に得点が伸びて、3位の表彰台に上がりました。

3人目のオリンピック代表は小塚選手が有力だと報道がなされていましたが、今シーズン全体の演技動向から見て、私は高橋選手だと思っていました。3人目の選考基準は、今大会以外の要素を総合的に考慮するという趣旨です。小塚は今シーズンの成績で代表になろうと思うのなら、安藤美姫選手が挑んだようにトップを目指すべきであり、他の選手が試みたように4回転を2回挑戦するなど、そのためのリスクを取るべきであったと思います。

 

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